うきよの恋花 好色五人女別伝

周防柳

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087718119
ISBN 10 : 4087718115
フォーマット
出版社
発行年月
2022年10月
日本
追加情報
:
334p;20

内容詳細

この恋は、地獄につながっている――。

女はなぜ、男のために火付けをし、火あぶりになったのか(「八百屋お七」)。
女はなぜ、道ならぬ恋におぼれ、自ら鉋(かんな)で胸を突いたのか(「樽屋おせん」)。
女はなぜ、ふしだらな下男と駆け落ちし、心を喪ったのか(「お夏清十郎」)。

江戸時代の人々の注目の的になった恋の事件の裏には、
悲しい“まこと”と、優しい“ほら”があった――

心中、駆け落ち、不義密通。
江戸のスキャンダルをまとめた井原西鶴の代表作『好色五人女』を大胆に新解釈した、胸に刺さる悲恋時代小説。

【著者略歴】
周防 柳(すおう・やなぎ)
1964年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。2013年『八月の青い蝶』(「翅と虫ピン」改題)で第26回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2015年、同書で広島本大賞「小説部門」大賞を受賞。著書に『逢坂の六人』『虹』『余命二億円』『蘇我の娘の古事記』『高天原-―厩戸皇子の神話』『とまり木』『身もこがれつつ――小倉山の百人一首』などがある。


【著者紹介】
周防柳 : 1964年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。2013年『八月の青い蝶』(「翅と虫ピン」改題)で第二十六回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2015年、同書で広島本大賞「小説部門」大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 真理そら さん

    井原西鶴が『好色五人女』をどう書き上げたのかという設定で物語は進んでいる。「八百屋お七」「おさん茂兵衛」「樽屋おせん」「お夏清十郎」「おまん源吾兵衛」が微かに違う設定で描かれているのが楽しい。えっ、お七さんって美少女だったのでは?お夏ってこんなにあどけないの?という気分で読み進めておまんの物語では西鶴の自分語りになっていく。作者らしく元ネタの魅力も「別伝」も堪能できる贅沢な作品。

  • よこたん さん

    “金で買えんような色恋が、この世の中でいちばん始末が悪い、いうことや” ほらのなかに、そっと潜むほんま。笑いのなかに、潜むかなしみ。恋は盲目、あほやなあと笑わば笑え。夢見心地のあとに待ち構えるは、地獄。わかっていても突き進む。集められた話の種を、西鶴があんじょううまいことまとめ上げる。抱えていた自分自身のかなしみも一緒くたに。ほんまはどないやったんなんか、誰にもわからへん。周防さん独特のフェロモンがあちらこちらに効いていて、すこしぽぉっとなりながら読んだ。八百屋お七がブサイクやったやなんて、ほんまかいな。

  • りー さん

    西鶴の「好色五人女」の元になったお話を想像して描かれた本。最初はお七をごく自然に脳内美少女設定で読んでいたので、途中で「えっ?!」となった。で、なるほどなぁ…と。他のお話もそれぞれ苦いものだった。個人的には、お夏清十郎の最後が一番ぞっとした。物語にするには、凄惨な現実を一時忘れさせてくれる美しさが必要で、ただしそれをメッキに見せないための一匙の本当があれば良いと。さて、この本の西鶴はどこまで本当なのだろう?なーんて、全く興味が無かったのに調べてみたい気になって、全くこの作者さんには踊らされてしまう!

  • rosetta さん

    ★★★☆☆井原西鶴『好色五人女』をリライト。江戸の風を感じられたしまあまあ楽しめた。八百屋お七以外はそもそも全く内容を知らないのでどのように換骨奪胎しているか想像もつかないが、実は最終話で明かされる。最終話「おまん源五兵衛」は西鶴本人の遍歴を焼き直したことになっている。前に読んだ『身もこがれつつ』なんかもそうだったけど、この作者はBLお好きなご様子ですか?

  • 信兵衛 さん

    色恋のどろどろした話は苦手なもので、どうしようか躊躇したのですが、読んで正解でした。さすがは周防さん。

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周防柳

1964年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。2013年『八月の青い蝶』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。同書は、15年の広島本大賞「小説部門」大賞に選ばれた。17年刊行の『蘇我の娘の古事記』は、同年上半期の「本の雑誌」エンターテインメントベスト10第1位。22年『身もこがれつつ』で第28回中

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