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買春する帝国 日本軍「慰安婦」問題の基底

吉見義明

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784000283908
ISBN 10 : 4000283901
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2019
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

性買売に関する世界的傾向がどのように受け止められて日本独自のシステム・構造がつくり出されていったのか―明治政府が違法としたはずの人身取引(人身売買)によって支えられていた近代日本の公娼制が、帝国の形成、拡大とともに変容し、最終的に日本軍「慰安婦」制度を生み出すに至るまでの歴史をたどる。

目次 : 第1章 人身売買禁止から公娼制へ―幕末〜一八九四年/ 第2章 買春帝国の成立―一八九四年〜一九〇五年/ 第3章 買春帝国の確立―一九〇五年〜一九一八年/ 第4章 買春帝国の変容―一九一九年〜一九三一年/ 第5章 大恐慌・満洲事変下の買春帝国―一九三一年〜一九三七年/ 第6章 買春帝国の極限化―一九三七年〜一九四五年/ 第7章 公娼制廃止から売春防止法体制へ―一九四五年〜一九五八年

【著者紹介】
吉見義明 : 1946年生まれ。1970年東京大学文学部卒業、1972年東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。中央大学名誉教授。日本近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • おさむ

    もうすぐ映画「この世界の片隅に」の新作が公開される。遊郭のエピソードが入り、よりシビアな内容になるとのことで、慰安婦問題の専門書を読んでみた。著者はこの分野の研究では第一人者の吉見氏。題名の通り日本は性売買に寛容な国。あの福沢諭吉先生すら苦界の女性の人権は認めなかったほどだ。明治維新後は軍隊の勢力拡大とともに国内外各地に慰安所が設立された経緯などが詳細に紹介され、読んでいて気が滅入る。戦後も有名なRAA協会がすぐに作られたのも、こうした「買春帝国」としての長い歴史があったからなのだと改めて実感した。

  • みねたか@

    開国から売春防止法制定まで約百年,日本の買春制度の変遷過程。欧米から移入される人身売買は悪,性売買は不道徳という価値観をまといつつ,海外に侵攻する軍隊において効率的かつ安全に買春する仕組みを構築。究極の形が侵略地に確立した慰安所。黙認から公認そして公設という過程の中,実態と責任が隠蔽される状況はまさに現状に通じるようで,この問題の根の深さをうすら寒く感じる。ただ,私自身が諸国の実情を知らないため,この期間の日本の立ち位置がどれほど特殊だったのかを俯瞰できない。この点でやや消化不良も感じた次第。

  • ∃.狂茶党

    欧米での奴隷解放女性解放の流れを知っていながら、うまく隠れるシステムを、わざわざ編み上げて性奴隷制度を国家で守る。 公認しつつ隠蔽する、二重の構造が、問題点を認識していたことを示している。 買春する側の男たちの責任が一切問われず、性病検査の義務化すら念頭にない歪さ。 一から十まで男目線であり、体を売る女性たちに心を寄せる様子はない。 人身売買が刑法できちんと取り締まられるのは、2005年のことで、慰安婦問題が、一向に進展しないのも無理はない。 頑なに否認し隠蔽されてきたのだから。

  • Satoshi

    ホストクラブにつけで遊んだ少女を強制的に売春させたホストが逮捕される報道を見て、酷いものだと思い、本書を購入した。従軍慰安婦問題を彼女らはただの売春婦であり、日本帝国軍が奴隷狩りのように招集していないのだから、彼女らは性奴隷ではないとの論評が目立つ。しかしながら、本書を読めば、日本国内の公娼制度自体が奴隷制という批判が国際的にあり、その制度が軍の拡大とともに朝鮮半島、中国で展開されたことが良くわかる。広義に解釈すれば、彼女らは性奴隷だと思う。結局、被害者の人権に向き合わないと従軍慰安婦問題は解決しない

  • 大泉宗一郎

    日本に置かれた公娼制度の変遷を辿りながら、同制度がどのように慰安婦制度に応用されたのかを探る一冊。国際世論への配慮から廃娼となるが、貸座敷制へ移行し私娼が自由意志により性売しているとして実質的な存置に至り、統治下にある他国へもシステムを伝播させてゆく。強姦防止と性病対策という認識で利用された構図と、それによって起きた具体的なハレーションの凄絶さには眩暈がするが、公娼制の趨勢については他の書も確認したいところ。とは言え、廃娼に対する当時の反対意見と慰安婦制度が創設された理由がほぼ同一という点は興味深い。

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