空ばかり見ていた 文春文庫

吉田篤弘

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167753290
ISBN 10 : 4167753294
フォーマット
出版社
発行年月
2009年01月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
16cm,349p

内容詳細

小さな町で小さな床屋を営むホクトはあるとき、吸い込まれそうなくらい美しい空を見上げて、決意する。「私はもっともっとたくさんの人の髪を切ってみたい」。そして、彼は鋏ひとつだけを鞄におさめ、好きなときに、好きな場所で、好きな人の髪を切る、自由気ままなあてのない旅に出た…。流浪の床屋をめぐる12のものがたり。

【著者紹介】
吉田篤弘 : 1962年、東京生まれ。小説を執筆するかたわら、「クラフト・エヴィング商會」名義による著作および装丁の仕事を続けている。2001年、講談社出版文化賞・ブックデザイン賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • masa@レビューお休み中 さん

    あなたが空を見上げるときは、どんなときですか?哀しみをこらえるとき、気持ちを上向きにしたいとき、それとも無意識だったりしますか?そのときどきで、空を見ることはあると思います。では、空ばかり見ていたというのはどういう状態なんでしょうね。家も、お店も持たず、さすらいのジプシーのように世界各国を行き来する美容師のトキワ。あるときは日本で、あるときは世界の果てで、またあるときは架空の世界で…。空ばかり見ていたトキワと、彼の周りの人々が織りなす、奇妙で、優しくて、ちょっぴり哀しい物語を見てみませんか?

  • ユメ さん

    扉を捲り、目次に並ぶ12の章題を眺める。その短く美しい言葉たちがどんな物語を内包しているのか想像を巡らすだけで、心が少し満たされてくる。お話も含めお気に入りなのは、「彼女の冬の読書」「星はみな流れてしまった」「ローストチキン・ダイアリー」。どの物語を取ってみても、他の物語は「ここではないどこか遠く」の出来事なのに、唯一流浪の床屋・ホクトだけが本全体を渡り歩いていて、そのゆるやかな繋がり方が吉田さんらしい。この本が持つ空気感は、紛れもなく冬のものだ。寂寥感を抱かされるのに、不思議と心が洗われたような読後感。

  • きりこ さん

    クラフトエヴィング商會物は大分読みましたが、吉田篤弘さん個人の作品は初めて。不思議な世界観のある連作短編集でした。気ままに旅をしながら道具一つで出来る仕事って床屋さん以外にあるのかな?星はみな流れてしまった・海の床屋がしみじみとする話でよかったです。マアトや鋏はクラフトエヴィング商會の「星を賣る店」の棚卸し商品で観た事を思い出しました。 面白かったのはローストチキンダイアリー。今年はクリスマスアドベントカレンダーを手に入れて楽しみたいなあと思いました。

  • ハイランド さん

    パリでパントマイムの修行をした男が、父の床屋を継いでいたが、突然放浪の旅に出る。放浪の床屋ホクトをめぐる12編。あり得ないような状況を読者は納得させられ、何処か不思議な小説世界に引きずり込まれる。やがてホクトの放浪は日本を出て世界へ、そして時代も超えて旅は続く。話も関連性がなさそうでありそうな、著者得意の連作スタイルである。12編皆良い感じだが特に「ローストチキン・ダイアリー」と「永き水曜日の休息」が好きかな。夜空を動かぬはずの北斗星を、放浪の床屋の名とする辺り、著者の凄まじいセンスを感じる一冊である。

  • 優希 さん

    流れの床屋のホクトさん。吸い込まれるような空を見て、鋏1つだけを持って自由気侭な旅に出ます。夢と現実を行ったり来たりしている破片を拾い集めると小さな奇跡になるようでした。好きなときに好きな人の髪を切る様子が美しくきらめいて見えます。しんしんと静かな映画を見ているようで、心に染み入る感じがしました。流浪の床屋という不思議な世界が水のように体の隅々まで行き渡る感覚が好きです。空に吸い込まれていくような余韻を味わいました。

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