手仕事というもくろみ 暮らしを編み直す

吉田慎司

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784911499009
ISBN 10 : 4911499001
フォーマット
発行年月
2025年04月
日本
追加情報
:
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内容詳細

《伝統的な箒づくりを通じて世界との多様な接点を見いだし、生きることの手ざわりを現代社会に回復しようと試みる、注目のつくり手の論考》

かつて日々のくらしに欠かせなかった箒は、電気掃除機の普及とともに需要が低迷し、全国各地の産地は壊滅状態に陥った。ところが近年、電気に頼りすぎないライフスタイルを志向する人、地域の伝統文化や地場産業に価値を見出す人が徐々に増え、職人が手編みした昔ながらの箒への関心が高まりつつある。
なかでも、神奈川県北部の愛川町では、一度途絶えた旧中津村の箒づくりを生業として復活させる取り組みが進む。細やかで繊細なつくりとクリエイティブな意匠を施した中津箒は限りなく工芸的で、「荒物」と呼ばれていた従来の箒とは一線を画すものとして注目されている。
再興の立役者として活躍する著者は、つくり手として伝統を受け継ぎつつ「美しいもの」を人に手渡すことで、大量生産・大量消費に基づく現代の暮らしと社会のありようを問い続けている。初の著作となる本書は、美大の彫刻科に入学してから箒のつくり手となるまでの道のりや、日々のものづくりと先達からの学びを通じて編み出された民藝論や工芸論、また移住先の北海道・小樽でのDIYによる住まいづくりや不耕起栽培による畑仕事、夫婦で営む箒のアトリエと書店・カフェの複合ショップの話など、「ライフスタイルも含めて箒の表現」と考える著者の生き方と暮らしぶりをまとめた一冊となった。

【本書より】
道具は文化や歴史も背負っている。それらを理解し、解釈するには知識やリテラシーが必要なので、使う人々にも自然とそれらを求め、深める機能もあるように思う。歴史を知った上で鑑賞や批評ができる人は、理性と感性を持って物事を判断できるだろうし、究極的には世界にはびこる分断をも解消できると思う。自分自身でさえ、そんな万能なものがあるとは信じがたいところもあるのだけれど、それでも本気で信じている。だからこそ、工芸に夢を見ている。そして、手仕事に何ができるのか、何をしてきたのか、どこに向かっていくものなのか、ということをずっと考えてきた。(第3章「手仕事の見取図を描く」より)

【推薦の辞】
関野吉晴氏(探検家・医師・武蔵野美術大学名誉教授)
《文明圏の中で、如何に自然と寄り添ったモノづくりが出来るかを探求している吉田慎司は、北海道や南西諸島の洞窟で、どれだけ文明を削いで生きていけるかの実験をしている私にとっては同志のように思える。》

【著者紹介】
吉田慎司 : 1984年生まれ。東京・練馬にて育つ。2007年より株式会社まちづくり山上にて、神奈川県で明治から伝わる中津箒づくりを開始。制作、展示会、ワークショップ、講演、執筆などマルチに行う。株式会社まちづくり山上中津箒つくり手主任。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒業。主な受賞に、第51回ちばてつや賞佳作、9th SICF準グランプリ、2011年より日本民藝館展入選など。LEXUS NEW TAKUMI PROJECT 2017年度匠神奈川代表。2021年度日本民藝館展協会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ふう さん

    手仕事の相関図。上下にアッパーカルチャーと、カウンターカルチャー。左右に同時代性と歴史性を設定し、美術工芸、民藝、生活工芸、クラフト、アーツ・アンド・クラフツの位置付けがなされている。が、そうなん?私の認識と著者のそれとはかなり異なっている。ま、いいけど。箒のアトリエと詩歌の書店カフェの複合ショップがたんごとん。行ってみたい。さて、豪雨から一晩中明けて、コキアで真っ赤な手箒、作れるかな。

  • ジュースの素 さん

    主に箒の話しだった。半分くらいよんで没に。 でもこの箒、本当に美しい。 使用感もいいだろうなぁ。

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吉田慎司

1984年生まれ。東京・練馬にて育つ。2007年より株式会社まちづくり山上にて、神奈川県で明治から伝わる中津箒づくりを開始。制作、展示会、ワークショップ、講演、執筆などマルチに行う。株式会社まちづくり山上中津箒つくり手主任。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒業。主な受賞に、第51回ちばてつや賞佳作、9

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