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ISBN 10 : 478727368X
Content Description
十九世紀のドイツは、ベートーヴェンの交響曲とともに、ついに自他ともに認める“音楽の国”へと上り詰める。フランスやイタリアに対するドイツ音楽の「勝利」は、進歩主義的な歴史叙述や、器楽を絶対視する美学によって強固な理論的基盤を獲得する。しかし、国家統一をめぐる熾烈な覇権争いは、やがて“ドイツ音楽”の理念をも引き裂くことになる。「絶対音楽」をめぐって奏でられた鋭い不協和音のなかに、亀裂の入った“ドイツ”が発する軋みの音を聴き取る。
目次 : 第1章 国民主義的音楽史の誕生―トリーストと十八世紀ドイツ音楽史(ヨーロッパにおける音楽史叙述の歴史/ 国民主義的音楽史叙述の成立 ほか)/ 第2章 “フランス”の変貌(「ドイツ人」対「新ラテン系諸民族」―フィヒテ『ドイツ国民に告ぐ』/ 形而上学と「ドイツ的なもの」―シェリングの学問論 ほか)/ 第3章 進歩主義的音楽史観のなかの“ドイツ”(「ドイツ的」かつ「近代的」なものとしての和声/ 音楽美学の転回点としての一八〇〇年―ヘルダーの器楽擁護論 ほか)/ 第4章 「ベートーヴェン・パラダイム」―ベートーヴェンと「ドイツ的なもの」(ドイツの「国民文化」としてのベートーヴェンの交響曲/ 「抑圧者」としてのベートーヴェン ほか)/ 第5章 絶対音楽の美学と“ドイツ”の分裂―音楽美学に見る南北ドイツの文化闘争(「絶対音楽」の美学はどこまで「ドイツ的」なのか?/ ハンスリックの音楽美学に見る“ドイツ”と“イタリア” ほか)
【著者紹介】
吉田寛 : 1973年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科(美学芸術学)博士課程修了。博士(文学)。同研究科助手、助教を経て、立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授(表象領域)。専攻は美学、感性学、表象文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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直井
読了日:2015/11/08
吉田恭
読了日:2019/02/19
ヨハネス・フェーリクス
読了日:2022/03/06
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