ハリガネムシ 文春文庫

吉村萬壱

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167679989
ISBN 10 : 4167679981
フォーマット
出版社
発行年月
2006年08月
日本
追加情報
:
16cm,280p

内容詳細

サチコ、底辺を這いずる痩せた、小さな女。手首に無数のためらい傷を抱えて。その女を知って、高校教師の内のハリガネムシが動きだす。血を流し、堕ちた果てに…。身の内に潜む「悪」を描き切った驚愕・衝撃の芥川賞受賞作。人間存在の奥の奥を見据えて、おぞましくも深い感動を呼び起こす。単行本未収録「岬行」併録。

【著者紹介】
吉村萬壱 : 1961年2月愛媛県松山市に生まれ、大阪で育つ。京都教育大学卒。東京都、大阪府の高校教諭を務め、現在、養護学校勤務。2001年「クチュクチュバーン」で第92回文學界新人賞、2003年、本作「ハリガネムシ」で第129回芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • kaizen@名古屋de朝活読書会 さん

    芥川賞】らしい暗さ。人間とは何か、家族とは何かを問いかけていることだけは理解できた。著者の略歴を見ると、教員であることから、自叙伝かとも思った。常識的な考え方の薄さと、非常識な行動の薄さの鬩ぎ合いのようなうすら汚さを醸し出しているのかも。苦手。

  • ヴェネツィア さん

    2003年上半期芥川賞受賞作。表題のハリガネムシは、カマキリ等の体内に寄生する生物。この小説では「獅子身中の虫」といった意味合いだが、ハリガネムシの方が、より生々しくグロテスクなリアリティが感じられる。そして、それはこの小説世界のシンボルでもある。人間の、ことに弱者の立場にあって、本来は暴力からは縁遠いはずの主人公(高校の倫社の教師)に内在する暗い情動を執拗に暴き出していく。そして、同時に主人公の孤独はどこまでも深い。読後は実にやりきれない気分になる小説だ。もっとも、そこにこそこの作品の価値があるのだが。

  • hit4papa さん

    とても厭な小説です。カマキリの尻から悶え出てくるハリガネムシは、剥き出しになった欲望を象徴しているのでしょう。厭な気分にさせるのは、誰しも、理性で押さえつけている暗い部分に共鳴してしまうからなのかもしれません。残酷なまでに人間の本質をえぐり出す著者の筆力に感嘆してしまいます。

  • yumiha さん

    まるでイヤミスを読んでいるようなおぞましさ…苦手です。サチコと知り合ったばかりに我が身の内にあるハリガネムシが蠢き、破滅へ導かれるその過程が微に入り細を穿つ描写。結局サチコは、この世界で生きてゆくしかないのだろう。「岬行」は、小市民になりたいという望みを持つ阿部って稀だと思った。私を含めて大多数は、好むと好まざるを得ずとも、小市民でしか生きられないのだから、むしろそこから逸脱したいという方に望みを託す。そのせいか「ハリガネムシ」の中岡に比べて、逡巡することが多い。どちらもお付き合いしたくない世界だった。

  • らむり さん

    やっぱり吉村さんの作品は好き。芥川賞だけに吉村さん作品の中では割とまとも?で、「臣女」とか「クチュクチュバーン」とかよりは万人うけしやすそう。

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人物・団体紹介

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吉村萬壱

1961年、愛媛県松山市生まれ、大阪育ち。京都教育大学卒業後、東京、大阪の高校、支援学校教諭を務めた後、五十二歳で専業作家に。2001年「クチュクチュバーン」で第九二回文學界新人賞を受賞してデビュー。2003年「ハリガネムシ」で第一二九回芥川賞、2016年『臣女』で第二二回島清恋愛文学賞を受賞(本デ

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