十三階の女 双葉文庫

吉川英梨

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784575521887
ISBN 10 : 4575521884
フォーマット
出版社
発行年月
2019年02月
日本
追加情報
:
397p;15

内容詳細

警察庁の公安秘密組織『十三階』。この組織は国家の異分子を排除するためには、ときに非合法な捜査も厭わない。盗聴、盗撮、身分偽装―最強のスパイ組織にはなんでもありだ。若き刑事・黒江律子は北陸新幹線爆破テロを起こした『名もなき戦士団』を壊滅させるため、ハニートラップさえ駆使して捜査にまい進する。だが、接触したテロリストを愛してしまったかもしれない―捜査の過程で苦悩する律子は首謀者「スノウ・ホワイト」を逮捕できるのか!?緊迫のスパイサスペンス始動。シリーズ第一弾!

【著者紹介】
吉川英梨 : 1977年、埼玉県生まれ。2008年に『私の結婚に関する予言38』で第3回日本ラブストーリー大賞エンタテインメント特別賞を受賞し作家デビュー。『警視庁「女性犯罪」捜査班 警部補・原麻希』などのシリーズが好評を博す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • absinthe さん

    女の闘いは面白い。テロにしか生きる場所がない女と公安にしか生きる場所がない女が戦う話。ハラマキシリーズの作家だが少し毛色が違う。公安が大活躍するしアクションも派手だが、こちらはトーンが少し暗い。宿命の重さが大きくハラマキより好きだ。途中爆弾に絡むクライマックスがあるが、壮絶なのはそれに続く取調室の女の闘い。悲しい過去を持ち、悲しい宿命を背負い、忍耐力を確かめ合うような壮絶な戦い。警察ものとしては緻密さに欠ける気がするが。この作家の世界観にそれを問うのは筋違い。

  • ろくせい@やまもとかねよし さん

    読み応えたっぷりのサスペンス。多くの人が知りたい国家諜報活動を用い、現代日本を舞台とした反権力暴力集団との攻防をスリル満点に描く。女性捜査官を主人公とし、権力と反権力と狭間で揺れる彼女の意識を、肉体と感性のあからさまな性を用い表現する。それが本筋を際立たせているか。権力の捜査秘匿のため、徹底的に裏切り者を追い詰める場面で、主人公に「連合赤軍の粛清みたい」と言わせる。権力も反権力も所詮「力」を欲する人間集団と表現するのかと感じた。だからこそ主人公の心身を切り詰めた姿は潔く痛く切なく虚しく感じさせたのだろう。

  • KAZOO さん

    この作者のものは以前に短編を1作だけ読んだのですが結構評判がいいので、このシリーズを読んでみました。女性の警察の公安組織の人物が主人公でこの分野にしては誉田さんや川瀬さんのものもありますがもう少しハードな感じでした。内容的には結構きめ細かな感じでいいのですが主人公が女を売り物にするのがあまり私には合いません。ただシリーズであと2作あるようなので読んでみようとは思います。

  • buchipanda3 さん

    主人公の公安刑事・黒江律子がなかなか強烈な印象を残す。話の展開も思わぬ拡がりを見せて思わずのめり込んで読んでいた。公安というと目的のためなら無感情で何事もこなすと思っていたが、律子は強い感情を持って何事もこなしてしまう。人間味があるとも言えるし、女性であることを用いるのに厭わなくなっていくその危なっかしさに思わずハラハラ。女対決の描写には思わずのけぞった。溺れる女、溺れた男、勝った女、かわいそうな女という章題に妙味を感じる。溺れる女は溺れた男に勝ったのか。いや溺れた男ってあっちではなくてあいつの方か。

  • のり さん

    公安秘密組織「十三階」に属する「黒江律子」。国家に忠誠を誓い、違法行為も合法と考える。善悪を決めるのは任務の結果だけ。テロリストを相手に女を武器にしてまで情報を得ようとするが…常に状況判断や情報処理に迫られ、さらには潜入捜査まで…並の神経では半日も持たない過酷さ。垣間見る人間臭さがいたたまれない。

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吉川英梨

1977年、埼玉県生まれ。『私の結婚に関する予言38』で第3回日本ラブストーリー大賞エンタテインメント特別賞を受賞し、2008年に作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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