オカルト武将・細川政元 室町を戦国に変えた「ポスト応仁の乱の覇者」 朝日新書

古野貢

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784022953148
ISBN 10 : 4022953144
フォーマット
出版社
発行年月
2025年05月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
古野貢 ,  
追加情報
:
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内容詳細

細川政元=戦国時代の引き金を引いた「ポスト応仁の乱の覇者」。常識破りの改革者にして、超能力に傾倒した奇人でもあった…山にこもって「狐の妖術」や空中飛行の修行に没頭。世継ぎは残さず、延暦寺も焼き払う。理解しがたい行動にも“狙い”があった!織田信長のロールモデルにもなった改革者の人生から、応仁の乱以降の乱世を読み解く。

目次 : 第1章 「ポスト応仁の乱の覇者」はいかに時代を変えたのか/ 第2章 オカルトへの傾倒/ 第3章 「ポスト応仁の乱」の時代―若かりしエリートの挫折/ 第4章 戦国の引き金を引いた「明応の政変」/ 第5章 覇権と暗殺、そして戦国へ/ 終章 政元の多面的な実像―再評価すべき理由

【著者紹介】
古野貢 : 1968年、岡山県生まれ。大阪市立大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(文学)。武庫川女子大学文学部歴史文化学科教授。専門は日本中世史。14〜16世紀の政治史、権力論、室町幕府、守護、国人など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • パトラッシュ さん

    明応の政変を引き起こした細川政元の人間像は、武将や政治家というより暴走するジャイアンか。応仁の乱で機能不全に陥った室町幕府を支える家に生まれたが、そんな時代と立場を嫌って自分の思い通りにしたいと願ったようだ。妖術修行に没頭し世継ぎを儲けず、将軍を追放して延暦寺を焼くなど常識外の行為を重ねたのも、単に好きに振る舞いたかっただけでは。政治的な理想も目標もなく、同志を集めたり家中の統制もしなかった権力者が身内に殺されるのは必然だった。三好長慶や織田信長の先駆ではなく、名家のワガママ坊っちゃんの自滅という印象だ。

  • 榊原 香織 さん

    応仁の乱の敵同士の間に、乱勃発の翌日生まれた。 オカルト、ていうか、修験道の修行に凝った人らしい。

  • よっち さん

    足利将軍追放のクーデターを成功させた革命児で、空中飛行や狐の妖術の修行に没頭する奇人・細川政元。応仁の乱から信長上洛までの空白の100年がわかる1冊。細川勝元の嫡男で母方が山名家という血筋に生まれ、父の急死を背景に7歳で家督を継ぎ、成長してからは日野富子との巧みな政治交渉を行い、応仁の乱後実権を掌握して明応の政変で足利将軍を追放した人物で、管領を4度辞職して修験道に傾倒し、織田信長より先に延暦寺焼き討ちを実行する変わり者で、これだけ変わっていたら周囲がついていけず、暗殺されたのも分かるような気がしました。

  • 白隠禅師ファン さん

    明応の政変で10代将軍・足利義材を廃し、足利義澄を擁立し、権力を振るった細川政元についての新書。政元を修験道への傾倒や管領を四度辞めるといった変わった人物像ながら、明応の政変後のフォーマットを構想していったが、志半ばで暗殺されたが、政元が敷いたレールは三好長慶や織田信長に受け継がれていったという風に論じている。大変興味深く読んだが、公武合体を目指していたことや「政元は〜と思ったに違いありません」というような記述は、説得力に欠ける気がした。もうちょっと詰めても良かったというか…。

  • kk さん

    図書館本。「明応の政変」の首謀者であり、また修験道への傾倒など奇矯な言動で知られる細川政元の治績と横顔を簡潔に素描。中世的秩序・観念が近世的なものへと変貌していく過程における一大立役者としての評価。先行研究の状況、学術上の論点、史料の吟味といった面倒くさい諸々は小気味良いまでに素っ飛ばし、長年の研究によって辿り着いた、著者の政元像をストレートに伝えるもの。まぁ何というか、読み易くて結構なことかと。

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