俵屋宗達 琳派の祖の真実 平凡社新書

古田亮

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784582855180
ISBN 10 : 4582855180
フォーマット
出版社
発行年月
2010年04月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
古田亮 ,  
追加情報
:
18cm,227p

内容詳細

一般に琳派の祖と称される宗達だが、その位置づけは後年“奉られた”ものにすぎない。近代日本美術研究の立場から残された作品群を分析、琳派成立の歴史的経緯を踏まえつつ、全く新しい宗達像を浮かび上がらせる快著。

【著者紹介】
古田亮 : 1964年東京生まれ。93年東京国立博物館研究員。98年東京国立近代美術館(01年より主任研究官)を経て、2006年に東京藝術大学大学美術館助教授に就任、現在准教授。専門は近代日本美術史。04年「琳派RIMPA」展、06年「揺らぐ近代」展、07年「横山大観」展など多くの企画展を担当する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 翠埜もぐら さん

    ふと岡本太郎の尾形光琳の「燕子花図屏風」に関する批評を思い出して、きちんと読み直すために再読。明治期に琳派が再注目される中、宗達が琳派として扱われていく過程を丁寧に追いながら、なお後の琳派と一線を画す物として宗達の特異性・斬新性を強調し、制作年代などの特定も絡めて代表作の解説をしていて、とても面白かったです。しかし岡本太郎って天才なんだなぁと今更ながら実感。「絵画は音楽を聴くように見る」と言いますが、確かに「燕子花図屏風」は「無音」だわ。

  • 浅香山三郎 さん

    出張の新幹線の復路で読む。帰りに、三菱一号館美術館と出光美術館に行つたので、美術畑の人の学説整理や切り口を知るにもタイムリーで面白かつた。宗達作品の分析、展覧会と「琳派」イメージの形成、ブランド戦略と法橋叙任など、示唆に富む。

  • ムカルナス さん

    琳派が「風神雷神図屏風」に象徴されるように宗達→光琳→抱一と継承されたというストーリーになったのは昭和47年以降のことだという。琳派400年の昨年はこのストーリーで琳派作品を見て回ったが「風神・・」の3作品の同時展示では違いは素人目にも明白だった。宗達は画家であり光琳はデザイナー、抱一は模写。この差異を本書は解き明かしてくれる。光琳は宗達という偉大な画家の装飾・デザイン部分だけを取り入れ、そのデザイン性が後世に継承されていったのだと。後世の人間が作り上げた琳派ストーリーから心地よく開放してくれる本だった。

  • amabiko さん

    京博の琳派展、入館待ち時間のお供にと考え、書庫山から発掘。帯の「宗達は琳派ではない!」には納得。ナルホド、風神雷神図の三対を実見すると、宗達だけが別であることがよくわかる。そうなると、琳派という括りではなく、近代絵画をふくめた宗達派展が是非とも観たくなる。第9章の音楽の話は正直よく理解できなかった部分もあった。が、今回間近で見た醍醐寺「舞楽図屏風」の持つ力には圧倒されたことは確か。著者が本作を最晩年の作に位置付けたのも頷ける。次に宗達の大きな展覧会がある時まで、この本は再び山に戻しておこう。

  • スエ さん

    「宗達vsマチス」という観点は非常に興味深い。ぜひ展覧会を実現してほしい……! 光琳の「紅白梅図屏風」の金箔手描き説に疑問を投げかけているのも慧眼ですね(後の調査で同説は否定されているので)。

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人物・団体紹介

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古田亮

1964年東京都生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科日本東洋美術史専攻博士後期課程中退。1993年より東京国立博物館に勤務。東京国立近代美術館主任研究官を経て、東京藝術大学大学美術館教授

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