自称詞“僕”の歴史 河出新書

友田健太郎

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309631677
ISBN 10 : 4309631673
フォーマット
出版社
発行年月
2023年06月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
344p;18

内容詳細

明治以降、なぜ日本語“僕”は、男性だけに普及したのか?幕末の志士・吉田松陰の書簡から村上春樹の最新長編まで、自称詞に込められた意味を読み解く。

目次 : 第1章 “僕”という問題/ 第2章 “僕”の来歴―古代から江戸時代後期まで/ 第3章 “僕”、連帯を呼びかける―吉田松陰の自称詞と志士活動/ 第4章 “僕”たちの明治維新―松陰の弟子たちの友情と死/ 第5章 “僕”の変貌―「エリートの自称詞」から「自由な個人」へ/ 終章 女性と“僕”―自由を求めて

【著者紹介】
友田健太郎 : 1967年、静岡県清水市生まれ。福井県に育つ。歴史研究者。日本語教師。放送大学修士(日本政治思想史)。1991年、東京大学法学部卒業。新聞社勤務後、ニューヨーク州立大学バッファロー校にて経済学修士号を取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • tsu55 さん

    自称詞「僕」を使うことで男性同士の仲間内ではフラットな関係を作れるということまでは、何となく感覚としてわかっていたけれど、ジェンダーニュートラルではないということについては、不覚にもこの本を読むまで気が付かなかった。まぁ僕は、女性が「ぼく」を使ってもいいと思うので、女性のなさんがどんどん「ぼく」を使ってくれれば、男女の間でもフラットな関係を結びやすくなるのではないか。……あのちゃん、がんばってください。

  • さとうしん さん

    中国から伝来した自称詞「僕」が、江戸時代に儒学的な文脈で身分を超えた友愛の絆を示すものとして使われ、松陰ら幕末の志士が同志との連帯を示す自称詞として頻用したことで、明治以後学校教育などを通じて自称詞として普及していく。しかし学生、知識人などエリートが好んだということで軍隊などでは忌避された。また、使用が男性にほぼ限定されるというジェンダー上の限界もあった。それが現代に入り、新たな展開を迎えていく。歴史学、文学だけでなく社会学的な視点も取り入れた総合的な議論になっている点が評価できる。

  • Ryoichi Ito さん

    日本語には自称詞,対称詞が非常に多い。著者はたまたま吉田松陰の手紙を読み,松蔭が〈僕〉を多用していることに気づいた。第3章,第4章は吉田松陰と弟子たちのの〈僕〉に関する著者の修士論文などが元になっている。〈僕〉は古事記にも使われている中国渡来の言葉だ。そこでは目下が目上に向かって使う言葉だった。その後,江戸期に儒教の普及とともに武士や知識階級でも使われるようになった。松蔭とその弟子たちが連帯意識を強調する言葉として〈僕〉を多用した。自称詞が人間関係を表し,また作り変える力を持つことを本書は強調する。

  • かみかみ さん

    明治以降「僕」という自称詞を広めたのは吉田松陰と松下村塾で学んだ弟子たちであると聞いたことがあり、気になって読んだ。江戸時代以降、学問を通じての身分や場所を超えた連帯を表明するための自称詞「僕」が明治や昭和の用例から使用者が何を「僕」に託したのかを追う。また、女性の「僕」の使用は明治時代まで遡れ、大正の宝塚ブームでも使われるが、昭和の戦時中にジェンダーロールの押し付けで廃れたというのは目から鱗。今では学校教育では推奨されるが、ビジネスシーンやフォーマルな場面には相応しくないという立ち位置が特殊だと思った。

  • 今Chan さん

    自分のことを何と呼ぶか迷う場面に出くわすことがある、先日、某講演会で、自分のことを「〇〇先生」と自称する講師に出会った。児童相手ならまだしも、不快感を抱き、講演内容まで薄っぺらく思えてしまった。吉田松陰の爪の垢を煎じて飲ませてやりたいと思った。

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