基本情報
内容詳細
向田邦子作品の比喩や思い込みに着目した前二著に続き、本著では「最後の一文」に着目する。短編小説ならびに『父の詫び状』所収エッセイについて、簡潔に内容を紹介しつつ末尾文を引用し、しめくくりの意図を解説。読者に「カタルシス」を感じさせると評価の高い、向田邦子の末尾文がこの一冊で凝縮して味わえる。
目次 : 小説編(写真機のシャッターがおりるように、庭が急に闇になった。―(かわうそ)/ 庄治は坂の途中で立ち止り、指先でポケットの小銭を探した。―(だらだら坂)/ 江口はゆっくりと水を飲んだ。―(はめ殺し窓)/ ただの縁起かつぎかな、と思いながら半沢も負けずに肉にかぶりついた。―(三牧肉) ほか)/ エッセイ編(それが父の詫び状であった。―(父の詫び状)/ いたずら小僧に算盤で殴られ、四ツ玉の形にへこんでいた弟の頭も、母の着物に赤いしみをつけてしまった妹の目尻も、いまは思い出のほかには、何も残っていないのである。―(身体髪膚)/ 隣りの神様を拝むのに、七年もかかってしまった。―(隣りの神様)/ 写さなかったカメラのせいか、バッグが行きよりも重いように思えた。―(記念写真) ほか)
【著者紹介】
半沢幹一 : 1954年2月9日岩手県久慈市生まれ。1976年3月東北大学文学部国語学科卒業。1979年3月東北大学大学院文学研究科修士課程修了。2019年3月同上博士課程後期修了、博士(文学)。現職、共立女子大学文芸学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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Yasushi I さん
読了日:2020/11/03
emiko さん
読了日:2024/01/21
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