ルポ「命の選別」 誰が弱者を切り捨てるのか?

千葉紀和

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784163913049
ISBN 10 : 4163913041
フォーマット
出版社
発行年月
2020年11月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
325p 19cm(B6)

内容詳細

妊婦の不安を煽る「出生前診断ビジネス」、障害の重いわが子の治療を拒否する親たち、「相模原殺傷事件」施設で続く虐待疑惑…わが国の「優生社会」化が止まらないのはなぜか?新聞協会賞受賞ジャーナリストが“命とは何か?”を問う!

目次 : 第1章 妊婦相手「不安ビジネス」の正体―新型出生前診断拡大の裏側/ 第2章 障害者拒み「地価が下がる」―施設反対を叫ぶ地域住民/ 第3章 見捨てられる命―社会的入院、治療拒否される子どもたち/ 第4章 構図重なる先端技術―ゲノム編集の遺伝子改変どこまで/ 第5章 「命の線引き」基準を決める議論―受精卵診断の対象拡大/ 第6章 誰が相模原殺傷事件を生んだのか―人里離れた入所施設/ 第7章 「優生社会」化の先に―誰もが新たな差別の対象/ 終章 なぜ「優生社会」化が進むのか―他人事ではない時代に

【著者紹介】
千葉紀和 : 毎日新聞記者。1976年広島県出身。英リーズ大学大学院地球環境学研究科修了(MSc:Sustainability)。生命科学や医学、宇宙開発、軍事技術分野などを長く取材。キャンペーン報道「旧優生保護法を問う」取材班で2018年度新聞協会賞、石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞奨励賞受賞。個人では「日本学術会議 軍事研究否定見直し検討のスクープと軍事と学術の接近を巡る一連の報道」で2017年度新聞協会賞候補。千葉大学元非常勤講師(科学技術倫理学)

上東麻子 : 毎日新聞記者。東京都出身。早稲田大学第一文学部卒業、1996年毎日新聞入社。佐賀支局、西部本社、東京本社くらし医療部などをへて統合デジタル取材センター。障害福祉、精神医療、性暴力などを取材。キャンペーン報道「旧優生保護法を問う」取材班で2018年度新聞協会賞、石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞奨励賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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  • trazom さん

    新型出生前診断・着床前診断・ゲノム編集という出生に関わる問題と、障害者施設建設反対運動・社会的入院・相模原殺傷事件など障害者受容の社会的問題を問う渾身のルポである。医学・科学が専門の千葉さんと、福祉や医療に詳しい上東さんという二人の毎日新聞記者による両面からのアプローチが鋭い。底流を流れるテーマは「優生思想」。我が子の出生の選別には利己的でありながら、社会的な問題には排他的になる自分たちの中に、優生思想が潜在していることに気付かされる。「健康」と「優生」とが紙一重の危うさにあることなどにもハッとする。

  • 遊々亭おさる さん

    相模原殺傷事件の遠因だとも言える我々が生きる社会が抱える優生思想を出生前診断などによる医療ビジネスや障害者グループホームを巡る地域住民の反対運動などから炙り出した一冊。人間の価値とはなんぞや?批判が殺到した杉田議員の生産性が人間の価値だとする考えは、働かざる者食うべからずとする我々の価値観と根は同じではないかと感じる。植松死刑囚も杉田議員と同じ価値観を口にした。我々は植松死刑囚の価値観を否定することに後ろめたさを感じているか。コロナ渦で命の選別が議論された。それは我々も持つ優生思想と向き合う好機でもある。

  • 読特 さん

    「なかったことにしたい」「遠くで暮らして欲しい」「生まれないで欲しい」。それが本音だとしたらなんと悲しいこと。傍観者として眺めているだけならなんとでも言える。「現実は過酷だ」当事者にそういわれたら、返す言葉はない。「ほっと一息つく暇もない」それでも幸せは思わぬ瞬間に感じるもの。自分も家族も健常で、一見平穏な暮らしにみえても、生きていくのは楽ではない。ハンデがある人もそうでない人も、身近にいて、助け合いながら暮らして行く。そんな古くて新しい世の中であったらいい。いろんな問題を読み進めながらそう思った。

  • ロア さん

    危険を承知で語り合いたい本。全員がそれぞれの立場で少しずつ違う意見を持つだろうし、時代と場所が変われば答えも180度平気で変わると思う。私達の誰にも正しい答えなど出せない。

  • 崩紫サロメ さん

    「命に優先順位をつけること」に関する様々なテーマを取り上げる。妊婦の不安を煽り、「不安ビジネス」と化している出生前診断」。異常があった場合には9割の人が中絶を選ぶというが、それは個人の決定だけではなく、強い母性愛規範が女性を追い詰めているし、福祉施設ができれば「地価が下がる」というような社会的圧力がある。やまゆり園の件に関して、園における障害者虐待こそが犯行に至らせた原因ではないか、とも指摘する。今も、「生ませない」圧力が強くある。そういう選択をするような圧力が。どこかでそれに自分も加担しているのだろう。

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千葉紀和

毎日新聞記者。1976年広島県出身。英リーズ大学大学院地球環境学研究科修了(MSc:Sustainability)。生命科学や医学、宇宙開発、軍事技術分野などを長く取材。キャンペーン報道「旧優生保護法を問う」取材班で2018年度新聞協会賞、石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞奨励賞受賞。個人では「日

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