グリフィスの傷

千早茜

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087718652
ISBN 10 : 4087718654
フォーマット
出版社
発行年月
2024年04月
日本
追加情報
:
200p;20

内容詳細

「みんな、皮膚の下に流れている赤を忘れて暮らしている」。ある日を境に、「私」は高校のクラスメイト全員から「存在しない者」とされてしまい―「竜舌蘭」。「傷が、いつの日かよみがえってあなたを壊してしまわないよう、わたしはずっと祈り続けます」。公園で「わたし」が「あなた」を見守る理由は―「グリフィスの傷」。「瞬きを、する。このまぶたに傷をつけてくれたひとのことをおもう」。「あたし」は「さやちゃん先生」をめがけて、渋谷の街を駆け抜ける―「まぶたの光」。…ほか、からだに刻まれた傷を精緻にとらえた短編10作を収録。

【著者紹介】
千早茜 : 1979年北海道生まれ。幼少期をアフリカで過ごす。立命館大学文学部卒業。2008年『魚神』で第21回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。翌年、同作にて第37回泉鏡花文学賞を受賞。13年『あとかた』で第20回島清恋愛文学賞、21年『透明な夜の香り』で第6回渡辺淳一文学賞、23年『しろがねの葉』で第168回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • starbro さん

    千早 茜は、新作中心に読んでいる作家です。本書は傷痕&血に纏わる心&身体に突き刺さる短編集、オススメは、『竜舌蘭』&『からたちの』&『あおたん』です。 https://www.bungei.shueisha.co.jp/shinkan/griffith/

  • さてさて さん

    『傷』に光を当てたこの作品に思いをこめられる千早さん。『傷』を前向きなものとして捉えることは困難だと思います。しかし、そんな困難に立ち向かい、”ネガティブ感を覆したい”とおっしゃる千早さん。この作品には、千早さんがおっしゃる通り、”それはもう傷ではなくなる”という瞬間を見る主人公たちの姿が描かれていました。『傷』というものに対する見方が変化もするこの作品。『傷』というものが持つ奥深さを思うこの作品。千早さんの筆が見せるリアルな痛々しさが伝わる物語の中に『傷』というものの意味を改めて思う、そんな作品でした。

  • R さん

    傷がモチーフというかテーマになっている短編集だが、血のイメージの印象が鋭い鮮烈な文章だった。色や情景、意思や思想なんかの象徴としての血や、傷が平易な言葉で、どこにでもありそうな話しで語られているんだが、その示すところが深いし、何よりも言葉が鋭いと感じた。言葉運び、選び、文章そのものが芳醇といえるくらい、見事に思えて、言葉以上に様々なことを想起させられることに驚いて読んだ。とても面白かったし、切ない。

  • はにこ さん

    短編は普段あまり好まないんだけど、これは良かった。傷にまつわる10の短編。傷つけられた方も傷つけた方も無自覚な傷や、その両方が気にし続ける傷。身体の傷や心の傷。色んな傷があるね。そういうことを改めて考える機会になった。

  • 漆虎太郎 さん

    傷跡もなく、すっかり忘れてしまっていたけれど、その出来事から気づかぬうちに心のカタチや生き方が変わってしまったことってあるよなぁってこの小説を読み終えて思った。また、体に残った傷口を眺めると当時の記憶・感情が一瞬で呼び起こされることもある。忘れられる痛み、忘れられない痛み、その違いを自分なりに知りたくなった。目に見えない「グリフィスの傷」から膿み出たもの、きっとそれが本当の自分なんだろうな。直視するの怖いけど。

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人物・団体紹介

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千早茜

1979年、北海道生まれ。立命館大学文学部卒業。2008年、第21回小説すばる新人賞を受賞した『魚神』(「魚」から改題)でデビュー。09年、同作にて第37回泉鏡花文学賞、13年『あとかた』で第20回島清恋愛文学賞、21年『透明な夜の香り』で第6回渡辺淳一文学賞、23年『しろがねの葉』で第168回直木

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