対立軸の昭和史 社会党はなぜ消滅したのか 河出新書

保阪正康

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309631226
ISBN 10 : 4309631223
フォーマット
出版社
発行年月
2020年10月
日本
追加情報
:
272p;18

内容詳細

戦後、野党第一党の位置を不動のものにしながら、内部抗争を繰り返し、幾度ものチャンスを生かせぬまま、ついに消え去った社会党。この混迷はいまのリベラルをかかげる野党にもひきつがれている。昭和とともに忘れかけられた戦後左派の栄光と悲惨を現代のために見直す。

目次 : 序章 安倍的時代の先を見つめるために/ 第1章 右派と左派、骨肉の憎悪(革命か、漸進主義か/ 講和条約と社会党/ 右派と左派の根本矛盾/ 社会党の分裂と自爆/ 階級政党から現実政党へ)/ 第2章 60年安保以後、大衆社会の中で(60年安保とコップの中の争い/ 安保敗退と浅沼委員長刺殺の悲劇/ 瞑想する社会党/ 左派政党の原罪/ 社会党内の不毛な対立)/ 第3章 社会党はなぜ国民から見放されたか(「時代」から遁走した大衆政党の罪/ 現実に背を向け、理念に固執する政党/ 運命を決した「非武装中立論」/ なぜ、冷戦時代を見誤ったのか/ 思考停止した非武装中立論の限界)/ 第4章 「社会主義」から「護憲」へ(派閥抗争で自滅の道へ/ 戦後日本に残された「傷痕」/ 社会主義政党から「護憲」政党へ/ 土井たか子時代の到来/ 「マドンナ戦略」の限界)/ 第5章 社会党の消滅と戦後の終焉(双頭の鷲と化した土井社会党/ 社会党vs.自民党の核心/ 「なしくずしの死」への道筋/ 権力に媚びる「革新政党」/ 「社会主義者」という虚偽の自意識)

【著者紹介】
保阪正康 : 1939年北海道生まれ。現代史の奥底にひそむ真実を追い続ける。個人誌『昭和史講座』で菊池寛賞、『ナショナリズムの昭和』で和辻哲郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • nnpusnsn1945 さん

    日本社会党の歴史について記されている。著者は自民党には批判的であるが、社会党に対しても厳しい意見を述べている。内部抗争に明け暮れて教条主義派が台頭し、プロレタリア独裁を捨てきれず、皮肉にも自民党の55年体制が続くことに繋がった。また、外交も中・ソ・朝からいいように使われているに過ぎなかった。著者は取材のためにソ連へ行って格差を目撃しているため、党員の共産圏賛美には疑問を持っていたようである。村山富市党首の回顧録、敵対していた自民党についての本も読んでみたい。

  • パトラッシュ さん

    「選挙は詩、政治は散文」という。有権者には美しい理想を語って支持を集め、現実政治では権力を得て法律や体制をつくるため議会で泥臭い議論や妥協を重ねるわけだ。しかし日本社会党は「選挙も政治も社会主義という詩で」とする原理主義勢力が主流となり、反対者を悪口雑言の限りを尽くして排除した。汚い妥協で権力を獲得するよりも、純粋な理想を掲げた野党である方がマシと信じて。確かに自民党政権は政治の汚い面を見せつけたので社会党も支持されたが、ついに耐用年数が切れて消滅した。リベラルという理想主義の栄光と悲惨を見せつけられる。

  • 雲をみるひと さん

    日本社会党史。作者の社会党への期待や想いとそれに応えられず迷走する左派を中心とする社会党の面々という図式が見てとれる。終戦直後と消費税導入期の2回勢があった社会党だが、内情は矛盾だらけだったことに改めて気付かされる。

  • 鯖 さん

    教条主義によって内部抗争で自滅し、中国ソ連北朝鮮への態度も決めきれず、プロレタリアや共産主義、独裁への態度が中途半端であり、その結果として自民党の55年体制を保持する手助けをしてしまった社会党の崩壊の歴史。いい人でいようとして、みんなにいい顔して、現実に向き合わなかった。日本人ぽいと著者は述べてたけど、この支持率で日本人ぽいはどうなんかな…。共産党も社会党も憲法大事なのは確かだけど、もうちょい労働問題を中心に据えてたら、ここまで凋落しなかったんじゃないかな参政党の大躍進もなかったんじゃないかなあとは思う。

  • かんがく さん

    戦後政治史について社会党側から見るのは初めて。55年体制において1/3の議席を占めた大政党だが、いまや後継の社民党は1議席を持つのみ。党内抗争、社会主義の衰退、教条主義など様々な問題点を指摘。手段を択ばず権力にこだわった自民党とは対照的。江田、土井など路線転換が可能なタイミングは何度かあったのかなとも思う。

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保阪正康

ノンフィクション作家。1939年札幌市生まれ。同志社大学文学部卒。編集者を経て、1972年に『死なう団事件』でデビュー。以来、旧軍幹部ら約4000人に取材を重ね、昭和の戦争について精力的な執筆を続ける。2004年に菊池寛賞を受賞

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