『きけわだつみのこえ』の戦後史 文春文庫

保阪正康

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167494056
ISBN 10 : 4167494051
フォーマット
出版社
発行年月
2002年12月
日本
追加情報
:
16cm,347p

内容詳細

昭和二十四年の刊行以来、長く読み継がれてきた戦没学徒の遺稿集『きけわだつみのこえ』。しかし、この感動の書は遺族の手からも奪い取られ、特定の政治的意図を反映させた政争の具になり果てている。戦場に散った平和への願いと、遺族の衰悼の意が込められた「歴史的遺産」は、いかに踏みにじられていったのか。

目次 : 序章 戦没学徒と私/ 第1章 『きけわだつみのこえ』の誕生/ 第2章 バイブルへの道/ 第3章 倒された「わだつみ像」/ 第4章 「反天皇制」の中で/ 第5章 戦没学徒の「戦争責任」/ 第6章 追放された遺族/ 第7章 わだつみ学徒、五十年後の「死」/ 終章 次代にとっての「わだつみ」

【著者紹介】
保阪正康 : 1939(昭和14)年、北海道に生まれる。同志社大学文学部卒業。編集者などを経てノンフィクション作家となる。主として昭和史と医学教育、医療問題に材をとった作品を多数発表している。現在、立教大学非常勤講師、函館大学客員教授の傍ら個人誌「昭和史講座」(年2回刊)を主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • fseigojp さん

    当初は凛々しく死ぬ覚悟で書いた戦争賛美とも取れる手記も入っていたのに、出版母体が変容するにつれ、削除されていった戦後史 オーウェルの1984なども思い出されました 

  • Voodoo Kami さん

    読書会今月の課題本。1999年刊行の本書を2015年の現在に照らすとさらに「暗然たる思い」になること必定です。戦没学徒の手記を「追悼」の思いで出した団体がやがて「政治」に飲み込まれしまいには「私物化」されていく。「逞しい諦念」で不本意にも戦争で命を落とした人も、神国日本を信じて死んだ人も、彼らが残した手記は手記として本来そのまま読まれるべきだったのでしょう。そこから何を受け取るかは人それぞれであり、だからこそ「歴史は繰り返す」のかもしれません。私はこのような手記が二度と書かれることのない世界がいいです。

  • えふのらん さん

    『わだつみのこえ』を巡る編集と論争の歴史。戦没学徒のバイブルとまでいわれた「わだつみ」が「戦争の悲劇性」を合言葉に改竄され、如何に継承されてきたかが紹介されている。遺稿集の改竄に導いた敗戦の衝撃、それを政治運動に転用しようとする戦後派、虚偽を嫌ってままの体験を伝承しようとする戦中派等々、わだつみを巡って交わされた様々な論争が刺激的。

  • sasha さん

    遺された言葉は読み手によって解釈が異なるのは当然だとは思う。だが、編集する側が意図的に改ざんしていい訳はない。人が集まるところ揉め事ありなので「わだつみ会」の内紛は仕方ないとしても、原本にもあたらず、遺族の了承も得ず、文章を切り張りして「決定版」とか謳っちゃダメだろう。読み終わって「わだつみ会」のホームページを見て来たが、今もちゃんと活動しているのかしら。更新が滞っているようだ。しかも、更新しているのがたった一人って。

  • ゆあ さん

    大学生のころ「きけわだつみのこえ」を読んで、自分と同じ大学生が、戦争に行き、死んでいったことにものすごいショックを受けた。 同時に、何も考えず、遊んでばかりいる大学生活を反省した。 「きけわだつみのこえ」をめぐって、裏でごたごたがあったことを知って胸が痛くなった。 学徒出陣や特攻隊は大きな問題だけにいろいろな考え方や立場があるのは当然だとは思うけれど、もう、何事をも表明できない「わだつみ」の声は、正確に戦争を知らない私たち世代に届けてほしいと切に願う。

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