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ポール・ヴァレリーの遺言 わたしたちはどんな時代を生きているのか?

保苅瑞穂

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784087717907
ISBN 10 : 4087717909
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

一生をパリに捧げたフランス文学の泰斗が邂逅する、さまざまな時代の、記憶のなかの人々。みすみずしい最後の随想集。

目次 : 1 パリが教えてくれたこと―序に代えて/ 2 黒い壁―フランス的精神とはなにか/ 3 パリは沈まない―戦争、レジスタンス、そしてテロ事件/ 4 機械文明のなかの人間/ 5 時代と戦う二つの知性―ヴァレリー、ヴォルテールを語る/ 6 なぜパリでは外国人に道をたずねるのか―国民の多様性と単一性と/ 7 ヴァレリーは二十世紀芸術をどう見ていたか/ 8 幻の花、巴里に繚乱す/ 9 ヨハン・シュトラウスが聞こえてくる部屋

【著者紹介】
保苅瑞穂 : 1937年12月23日、東京神田生まれ。1961年、東京大学文学部フランス文学科卒業。1968年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得満期退学(1964年〜67年にパリ留学、エコル・ノルマル・シュペリウールに在籍)。東京大学名誉教授、獨協大学名誉教授。専門はフランス文学。主な著書に『モンテーニュの書斎『エセー』を読む』(講談社、2017年/第69回読売文学賞(随筆・紀行賞))など。2021年7月10日、パリにて逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • うた

    ポール・ヴァレリーは私にとって長らく興味はあるが、入り口のわからない作家だった。書名もテスト氏、精神の危機などと何やら難しそう。保苅先生は、自身のパリ体験とそんなヴァレリーの作品の数々を結びつけつつ、入り口を開いてくれる。この知性そのものであるような文人は、厳しく孤高で、しかし親しみを感じざるえない丁寧な言葉を使う。ちょうど今月岩波文庫のテスト氏が復刊されるし、早速読んでみることにしよう。

  • ありんこ

    パリを訪れたことのない私は想像するしかありませんが、最近、フランス文学や芸術に興味が出てきました。ポール・ヴァレリーが批評した内容を、現代に生きる私たちに向けて保苅さんが分かりやすく美しい言葉で伝えてくださっています。その保苅さんも亡くなってしまったとのこと。読書をして、静かさに浸り、思索にふける時間を大切にしたいです。

  • PETE

    ヴァレリーのヨーロッパの危機についての評論を解説し、晩年の活動を祖述しながら、そこに著者の留学時代のパリについての追憶と老いてからのパリ生活が結び合わせるエセー集。なのだが、ポモ・ポスコロの時代を経たはずなのに、「ヨーロッパ精神」やら「フランス」やら「フランス語」やらを無条件に賛美しているアナクロニズムには吐き気を覚えた。

  • 現代はヴァレリーの危惧した未来に直面している時代であり、本書は彼の明晰な文章を引用しそのことをわかりやすく解説してくれはするのだが、現在に対する不安を何かしら解消してくれるものを少しも提示してくれはしなかった。

  • NAGISAN

    簡便に読める翻訳書の少ないP.ヴァレリー。プルースト研究者として著名な保苅先生の本書に巡り合えた。ヴァレリーの著作を通じて、「精神の絶え間ない堕落」は「存在の深みにある内面の静けさ」(=無我の状態)が失われたことにあることをフランスの成立ちや文化から解きほぐす。2019年9月〜2021年1月号の「すばる」に掲載されたもの。流れるような文章は、パリの精神をこよなく愛された著者の姿が想像できる。晩年パリに居を移転された由、2021年7月、パリで逝去と書かれている。プルースト関連の著作も読ませていただきます。

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