御成敗式目 鎌倉武士の法と生活 中公新書

佐藤雄基

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784121027610
ISBN 10 : 4121027612
フォーマット
出版社
発行年月
2023年07月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
296p;18

内容詳細

御成敗式目は一二三二年、鎌倉幕府三代執権の北条泰時により制定された。源頼朝以来の先例や武士社会の道理(慣習や道徳)に基づくとされ、初の武家法として名高い。主たる対象は御家人だったが、その影響力はやがて全国規模に拡大する。画期的と評されるこの法はどのように生まれ、なぜ広く知れ渡ったのか。主要な条文を詳しく解説し、受容の実態や後世への影響を視野に、「最も有名な法」の知られざる実像を明かす。

目次 : 1(中世の「国のかたち」/ 「有名な法」の誕生)/ 2(「道理」の法/ 五十一箇条のかたち/ 式目は「分かりやすい」のか)/ 3(女性と「もののもどり」/ 庶民と撫民/ 裁判のしくみ)/ 4(天下一同の法へ/ 「古典」になる/ 現代に生きる式目)

【著者紹介】
佐藤雄基 : 1981年(昭和56年)、神奈川県に生まれる。東京大学文学部卒業。同大学大学院人文社会系研究科博士課程を修了し、博士(文学)を取得。日本学術振興会特別研究員(PD)などを経て、立教大学文学部教授。専門分野は日本中世史、近代史学史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • パトラッシュ さん

    内乱から生まれた初の武家政権である鎌倉幕府の権力運用は未熟で、内紛や殺し合いでの決着も珍しくなかった。しかも飢饉による社会的混乱を鎮める必要にも迫られ、執権北条泰時が御成敗式目を制定するに至った事情が見えてくる。あくまで武家が対象の紛争解決マニュアルだったが、武家と対峙する貴族や寺社も利用するようになり、その便利さ故に全国に広まって戦国期まで長く受容された。それが権威と由緒を生み、今日の改憲論争の底流となるほど歴史に大きな影響を及ぼした。日本人の法意識や運用テクニックは、泰時にこそ根源が求められるのでは。

  • よっち さん

    武士社会の先例や道理に基づくとされる御成敗式目。初の武家法はどのように生まれ、どう受容され、なぜ有名になったのか様々な角度から検証する一冊。制定された鎌倉時代がどういう状況だったのか。内乱や飢饉で社会基盤が揺らぐ中で何を目指したのか。「道理」をキーワードに幕府の権力の及ぶ範囲を定めていて、当時の女性の権利や庶民がどのように規定されていたのか、裁判がどのような形で行われていたのか、式目がどのように派生していったのかが解説されていて、当時の幕府や人々が何をどう意識していたことが伺えてなかなか興味深かったです。

  • みこ さん

    泰時の生涯とか、せめて若い時に何を経験して御成敗式目を制定しようと思ったかなどは記されてなく、思っていた以上に御成敗式目をがっつり解説。元々は泰時から鎌倉御家人に対する戒めだったが、その汎用性の高さが公家や庶民に広がり、さらには戦国時代の分国法にまで影響を与える。一方で、地頭らによる土地支配の在り方を定めたことが後に悪党を産み出したり、幕府支配の限界を招いて結局は鎌倉幕府滅亡を導いてしまったのかもしれない。冒頭に書いた通りの内容なので、泰時の心情を知りたければ、予習として大河視聴が必須かも。

  • kk さん

    図書館本。御成敗式目の成立背景や構成・内容などを概説。その上で、もともと適用範囲が意識的に限定され、個別的トラブル解決の指針であった式目の性格が、朝幕関係の変化や武家権力の社会的浸透などに応じて、次第に「天下一同の法」に変容していく過程を説き明かす試み。さらに、中世から21世紀の今日に至るまで、その時そのときの政治・社会状況の中、人々の式目に向けた眼差しが思想的な面で一定の意味を持ち続けてきたと主張。興味深く、パワフルな立論。読み応えあります。

  • のぶのぶ さん

     御成敗式目は、教科書に出てくるが、ほぼ名前だけでした。大河ドラマでも泰時が作ったぐらいでしたが、日本で作られた法律、裁判の基準を示したもので、当初は御家人のものだったが、鎌倉時代の幕府と朝廷が絡み合う中で、一般にも広がっていったようだ。鎌倉時代、室町時代の背景を知る機会になった。悪口や女性の権利など、今につながるものもあるし、「国際化と外国との交流が進む中で日本人とは何かという問いが生まれていた。」今の日本を考える時も引き出されるようだ。御成敗式目が日本にとって大事な分岐点になっているようです。

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