教科書御用達小説の主人公はクズでヘタレばかり

佐藤功

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309029474
ISBN 10 : 4309029477
フォーマット
出版社
発行年月
2021年02月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
254p;19

内容詳細

高校の現代文でおなじみの小説には、なぜか決まってダメダメな人間が描かれていること、ご存じですか?先生はそんなこと、ひと言も触れなかった?それは残念!でも、今からでも味わってみてください。芥川や漱石、太宰や〓外は、クズやヘタレにどんなメッセージを込めたのか。授業で居眠りした人も純文学の虜になる、目からウロコの読み解き方を披露します。

目次 : 羅生門 芥川龍之介―一見卑劣な行動を、「身分」と「にきび」で読み解くと、近代の青年の悩みが見えてくる。“先の見えない自由な世界”に駆け下りていくことの本当の意味とは?/ 山月記 中島敦―「李徴はなぜ虎になったのか?」は、論じる意味なし!反省しているように見えて、実は成長していない主人公のダメ人間ぶりに、あなたは気づいたか?/ 舞姫 森〓外―語り手が何を「書かなかったのか」に注目!臆病な豊太郎が、なぜエリスに声をかけることができたのか?なぜあのタイミングでエリスと男女の関係になるのか?/ こゝろ 夏目漱石―先生が死ぬタイミング、遺書の内容を妻に秘密にする理由、そして遺書を読み終えた語り手のその後の人生…。読み解く鍵は、そこにある。/ 檸檬 梶井基次郎―主人公の「私」は、借金まみれなのに、どうして檸檬なんか買うのだろうか?八百屋と丸善の対比の意味を解く鍵は、八百屋を「果物屋」と呼ぶ理由に隠れていた!/ 富嶽百景 太宰治―奇異な服装を慰めてくれた井伏鱒二に、「私」は感謝しているのか?それとも…。「月見草」と「富士山」に込められた本当の意味とは?/ 頭ならびに腹 横光利一―タイトルの「頭」と「腹」が象徴することとは?故障で止まった列車の中で「子僧」だけが正しい選択ができた理由とは?

【著者紹介】
佐藤功 : 埼玉県生まれ。立教大学文学部日本文学科卒。県立高校教員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • trazom さん

    高校教師の著者が、教科書頻出の小説7編(羅生門/山月記/舞姫/こゝろ/檸檬/富岳百景/頭ならびに腹)を読み解く。本書のタイトルに品はないし、著者の解釈に全面的に賛成するものではないが、これはこれでとても面白い。著者が投げかける視点がユニークである。李徴ではなく「袁傪とは何者か」を考え(山月記)、豊太郎ではなく「相沢とは何者か」を考え(舞姫)、「こゝろ」の静と青年のその後を大胆に想像することなどを通じて、小説を読む楽しみが拡がる。指導要領に盲従せず、自由な発想で作家の本質に迫る方法論を示すいい先生だと思う。

  • M さん

    知人である高校の数学の先生から勧められた本(私は高校生ではない。中年である)。こんなに心を掴んでくる先生の授業だったら、取っ付きにくい純文学もスッと入ってきそう。個人的に、「舞姫」の豊太郎がベストオブクズかな。プライドとエリート意識と選民意識高くてなおかつ人の心にも自分の気持ちにも疎い。さらにそのことに自分では気づいていなくて上から目線。時代性もあって仕方ない部分もあるのだろうけど。 横光利一を読んでみたくなった。

  • かおる さん

    教科書に登場する著名作品の主人公たちが、いかに「クズ」で「ヘタレ」であるか?を解説していく。眼からウロコの読み解きがとても興味深かった。主人公は著者の投影であり、彼らが生きた時代において、どのように苦悩していたかを解説する深い読みがおもしろかった。横光利一に対する過小評価は激しく同感!初めて「蠅」を読んだ衝撃は今も覚えている。

  • sugarpon さん

    教科書でおなじみの作品であるにもかかわらず、ここまで表現を注意深く眺め、行間を読んだことなど全くなかった。学校の授業ではなかなかここまで深読みすることは難しいけれど、せめて一部の子どもにだけでもこういう読み方に興味を持たせるようなきっかけを作ってくれればいいのに…と思う。以前読んだ「わかりやすさの罪」にもつながってくるが、読者の側から作家の意図を探るよう踏み込んでいく訓練をしないと「もっとわかりやすく」の大合唱になり、ネットの記事などを誤解する人ばかりが増えて行ってしまうよね。

  • 黒木文庫 さん

    福岡天狼院にて天狼院読書クラブ大賞エントリー作品「誰にも教えたくない!独り占めしたい1冊!」の帯に惹かれて購入。高校国語の教科書に載る作品のクズ、ヘタレエピソードが満載。逆説的に考えればクズでヘタレだからこそ物語になるという見方もできるのかもしれない。でも、舞姫の豊太郎はクズ過ぎて、教科書に載せるのはいかがなものかと…。

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