照葉樹林文化とは何か 東アジアの森が生み出した文明 中公新書

佐々木高明

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784121019219
ISBN 10 : 4121019210
フォーマット
出版社
発行年月
2007年11月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
18cm,322p

内容詳細

日本文化のルーツでもある照葉樹林文化の特徴を紹介するとともに、照葉樹林文化論の誕生とその展開を概説。さらに長江文明や稲作の起源との関連について最先端の研究者との座談会を付した、照葉樹林文化論の決定版。

【著者紹介】
佐々木高明 : 1929年、大阪府生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。立命館大学助教授、奈良女子大学教授、国立民族学博物館教授、同館長、アイヌ文化振興・研究推進機構理事長を歴任。国立民族学博物館名誉教授。専攻・民族学。照葉樹林文化論を中尾佐助とともに構築・提唱(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 翔亀 さん

    1966年の学説を提唱者の一人が40年を経て補強を加え総括した書。雲南-ブータン-ヒマラヤの照葉樹林帯の人々の暮らしに、日本と同じ餅や納豆、茶を発見した驚きが発端。日本も同じ照葉樹林帯だと学説に高めた。これが注目されたのは、日本の起源に関係するから。狩猟採取の縄文時代→水田農耕の弥生時代へと直線的に発展(或いは征服)した歴史認識に対し、縄文時代に稲を含めた農耕・餅・納豆からなる文化が存在して、それに弥生時代に水田が重なったという、多起源説だったからだ。その後、考古学的にも縄文時代の稲の存在が実証される。

  • 井上岳一 さん

    中尾佐助の照葉樹林文化論提唱後、学説がどう移り変わってきたのかが真摯にまとめてある。これを読んで、照葉樹林文化と稲作文化の関係がようやく腑に落ちた。京都学派の人々が築き上げた「知の共同体」の凄さを改めて感じさせる一冊。日本人のアイデンティティ、アジアとの関係について考えたい人は必読の書。

  • 読書履歴 さん

    2007年刊。ネパール、ブータン、アッサムから東南アジア北部山地、雲南・貴州高地、長江流域の江南山地を経て西南日本に至る照葉樹林帯に共通の文化的特色で特徴づけられる文化的まとまりを考えるスケールの大きな学説の入門書。第一部では循環型焼畑、モチ性食品、ナレズシ、納豆など大豆発酵食品、コンニャク、麹酒、茶、漆、歌垣、天の羽衣伝説などの共通点の解説(51頁の図版が印象的)。第二部は学説の成立史で、稲作文化との関係性が少々難しい。第三部は主に稲作文化の成立に関係した議論が展開されている。

  • kaizen@名古屋de朝活読書会 さん

    本書の照葉樹林文化からは離れているかもしれません。中国南部の南寧を訪れたことがあります。 北京の漢民族と南寧の人たちとの距離よりも、日本人と南寧の人たちの距離の方が、短いと感じました。直感は学術的ではありませんが、学術の理解に直感は必要だと思われます。南からの文化が、日本の文化の何割を占めるというような定量的な結論が出せるかどうかはわかりません。少なくない比率だという感触を持っています。そういう感触を持って読むと、楽しく読むことが出来ます。百聞は一見にしかずとか、現地、現物といいます。

  • とりもり さん

    うーん…。照葉樹林が拡がる地域=気候が似ている地域なので、食文化などに類似性があるのは納得できる。その意味での照葉樹林文化にはある程度納得感がある一方、どうしても稲作を絡めると無理が出てくる気がしてならない。東亜半月弧を照葉樹林文化の中心地帯と位置付ける一方、それと(水田)稲作の起源を結びつけようとして理論が破綻している気がしてならない。最後の対談でもその点が再三指摘されているように思えた。稲作はいったん切り離して、あくまでも同一気候帯における文化の類似性として捉えた方がいいのではないか。★★★☆☆

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佐々木高明

1929年大阪府生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。立命館大学助教授、奈良女子大学教授、国立民族学博物館教授、同館長、アイヌ文化振興・研究推進機構理事長を歴任。国立民族学博物館名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授。専攻は民族学。照葉樹林文化論を中尾佐助とともに構築・提唱。2013年没(本デ

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