基本情報
内容詳細
故郷をおんでて何十年、他国に流離で十何年、親も夫も子も危機で、死と老いと病とが降りかかる。それでも生き抜く伊藤しろみ。この苦が、あの苦が、すべて抜けていきますように。本書は詩であり、語り物であり、また、すべての苦労する女たちへの道しるべである。単行本未収だったとげ抜きスケッチ2篇を巻末特別収録。萩原朔太郎賞・紫式部賞W受賞作。
目次 : 伊藤日本に帰り、絶体絶命に陥る事/ 母に連れられて、岩の坂から巣鴨に向かう事/ 渡海して、桃を投げつつよもつひら坂を越える事/ 投げつけた桃は腐り、伊藤は獣心を取り戻す事/ 人外の瘴気いよいよ強く、白昼地蔵に出遇う事/ 道行きして、病者ゆやゆよんと湯田温泉に詣でる事/ 舌切らず、雀は婆を追い遣る事/ 梅雨明けず、母は断末魔に四苦八苦する事/ ポータラカ西を向き、粛々と咲いて萎む事/ 鵜飼に往来の利益を聴きとる事〔ほか〕
【著者紹介】
伊藤比呂美 : 1955・9・13〜。詩人。東京都生まれ。1980年代、女性詩ブームの先駆けとなる。出産育児エッセイの先駆けともなる。前夫と離婚し、1997年、子どもを連れて渡米。カリフォルニアでイギリス人パートナーと新家庭、やがて熊本に住む両親の介護のため日米を往復するようになる。2018年から3年間、早稲田大学教授。拠点を熊本に移す。子育て、更年期、介護―人生のおりおりを、詩に、文学に、昇華しつづける。90年代から始めた仏教文学、経典の現代語訳、人生相談においてもますます注目されている。『とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起』にて萩原朔太郎賞・紫式部賞をW受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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takao さん
読了日:2024/05/06
numa さん
読了日:2022/11/18
にく さん
読了日:2023/11/05
鮒 さん
読了日:2025/11/22
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人物・団体紹介
伊藤比呂美
1955年東京都生まれ。詩人、小説家。78年、詩集『草木の空』でデビュー、同年現代詩手帖賞受賞。80年代の女性詩ブームをリードし、「育児エッセイ」分野も開拓。2018年から21年、早稲田大学教授。06年『河原荒草』で高見順賞、07年『とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起』で萩原朔太郎賞、08年紫式部文学賞、15
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