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日本語の連続 / 不連続 百年前の「かきことば」を読む 平凡社新書

今野真二

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784582859355
ISBN 10 : 4582859356
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2020
Japan

Content Description

1920年前後、本格的に始まった雑誌時代、総合雑誌の、女性雑誌の、子供向け雑誌の言葉を読む。当時の辞書を、また戦争に向けた言説を読む。その時、“いま”の言葉との、どんな連続や切断が見えてくるか?

目次 : 序章/ 第1章 総合雑誌をよむ/ 第2章 女性のことば/ 第3章 こどものことば/ 第4章 大正時代の辞書―現代の辞書のルーツを求めて/ 第5章 戦争を語る日本語/ 終章 再び一九二〇年の日本語

【著者紹介】
今野真二 : 1958年、神奈川県生まれ。早稲田大学大学院博士課程後期退学。現在、清泉女子大学教授。専攻、日本語学。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • bapaksejahtera

    本書では1920年の前後30年即ち1905年〜1935年の間に現在の日本語日本文化のセットが整ったと推定して、その分析を試みている。歴史的にもこの期間は「戦間期」として項立てする学者もいるのであるから、この認識は正しいのだろう。そう思って読み始めたのだがどうも拍子抜けする。序章で時代的特徴を述べるのは良いが、その後の記述は、この期の総合雑誌、女性誌、子供雑誌等の文例を散漫に羅列するのみ、最後にこの時期からは外れる日露戦争期の日本語が挙げられる。仮名遣い、外来語、音便の表記など分析的な記述を期待したのだが。

  • tamami

    まずはざっと読了。テーマとしては面白そうだし、内容的にも読ませる部分もあったが、全体としては、著者は資料の消化不良を起こしているのではないかという印象をもった。百年前の読みにくい日本語文献の一次資料を羅列されても、興味を持って全文を読み切るのは難しい。当時の日本語と現在の日本語と、共通する部分と変化した部分と、トピックを絞り、話者や記述者についての具体的エピソードなども交えて書かれていれば、印象も随分違ったのではないかと思う。未だ歴史になっていない分野を開拓する著者の労は多とするところであるけれども。

  • Lieu

    文学作品に限らず、雑誌や広告、辞書など多く例を取っているが、雑多な一次資料をそのままぽんと手渡されている印象で、各分野のこの時点がこういう事情で日本語の分水嶺になっているなどの踏み込んだ考察はあまりなかったので、物足りない気がした。 文学に限って言えば、言文一致とそうでない小説では日本語として大きな違いがあるが、同じ言文一致でも、たとえば二葉亭四迷と芥川龍之介の日本語は同じ範疇に入れていいのか、というような議論がたくさんあるだろう。1920年代日本語論というテーマ自体はかなり面白そうである。

  • zikisuzuki

    百年前ということで、とても珍奇な言葉に出会えると思って読み始めたが、そんな事は無かった。思えば百歳を超える人が七万人以上もいるのだから、そんな馬鹿なこと考えるほど昔じゃない。大正九年当たりは現代の思想、それと繋がる言葉が整った年だと言うことが良くわかった。男の支配する公的なところでは漢文調和文が使われていたとしても、女性や子供の文化では今で言う「らしさ」という自然さを身に着け始めた感じがした。男性側でも娯楽小説では江戸川乱歩の文章など未だ色あせていないと思う。今との差異を知れた普通述語辞典が面白かった。

  • ひじき

    大正時代を中心に、当時の出版物などから現代の言葉との連続性、不連続性を考える本。江戸時代の言葉などよりは読めるものになっているけれど、現代では使われなくなったり意味が変わった言葉があったり。そして時代の雰囲気やその出版物の編集方針によって選び取られる言葉づかい。当時はきっと無意識にやってたことなんだろうけど、100年も前の言葉になれば客観的に分析できる。現代だってそうなのだ、ということを思い出させる。話がよく飛ぶのでやや散漫にも感じるけど、ゴールというより考える材料を提示しているのかな、とも思う。

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