一つの花 ポプラポケット文庫

今西祐行著

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784591088777
ISBN 10 : 4591088774
フォーマット
出版社
発行年月
2005年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
18cm,190p

内容詳細

「ひとつだけちょうだい」。それは戦争の最中、食べる物もあまり手に入らない生活の中で、ゆみ子が最初に覚えた言葉。そんなゆみ子にお父さんは…。平和への願い、幸せへの祈りが込められた表題作ほか11編を収録。

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読書メーターレビュー

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  • やすらぎ さん

    心に響く物語の数々。…一つだけちょうだい。一輪のコスモスを。…しっかりするんだ、お母さん。泣き続ける赤ちゃん。…水たまりには小さな海。取り残された魚。…遠い南の空、天使が息を吹きかけ花ひらく。…それぞれの人生には、避けられない悲しみや孤独がある。苦しみや貧しさの中、心を忘れず、助けに感謝し、希望の光を感じている。…子どもは成長する。大人も学び続ける。人と人とが繋がって、歴史が生まれて語り継がれていく。…人は誰しも必ずどこかに優しさを持っている。朝に咲く花があれば、夜に咲く花もある。花は咲かないときもある。

  • 匠 さん

    教科書に今現在も載っているという話を含む12篇の童話集。父親の出征を描いた表題作は教育映画で観たことがあったのだが、原作はもっともっと短い話だったのだと知った。作者の実体験を元に原爆投下の日を描いた「ヒロシマの歌」は、読んでいて胸が苦しかった。ただ、戦争の話ばかりが集められているのではなく、生命賛歌、心というモノの愚かさ、美しさ、純粋がテーマとなっている。個人的には子どもの頃に読んでうろ覚えだった「はまひるがおの小さな海」が思いがけずにまた読めて、この作者の作品だったことを知ることができて嬉しかった。

  • 扉のこちら側 さん

    2018年65冊め。再読。戦時下の食糧難で「一つだけちょうだい」と、おにぎりを求める娘に一凛の秋桜を与えて出征していった若い父。原爆投下翌日の広島で女性の遺体から赤ちゃんを保護し里親に託した兵士等、教科書でもおなじみの今西作品集。今昔物語風の『きつねとかねの音』や異国の戦争物の『ねむの木のはなし』も好き。何度読んだかわからない一冊。

  • ヒラP@ehon.gohon さん

    何度読んでも、「一つだけ」という言葉が心を締めつけるような名作の表題作品を読んだら、そのまま今西祐行さんの世界に入り込んで行くような作品集です。 簡易で優しい文体なので、感情移入しやすいと思います。 教科書に掲載された作品も多く、気持ちを過去に戻すこともできました。

  • ツキノ さん

    ポプラポケット版。「一つの花」の長いバージョンがあるのかと思ったのは勘違いでした。他の収録作品はヒロシマの歌、むささび星(絵本で読んだ)、太郎こおろぎ(小3のとき教科書で)、おいしいおにぎりを食べるには、はまひるがおの小さな海、ゆみ子のリス、花のオルガン、ぬまをわたるかわせみ、月とべっそう、きつねとかねの音(引き込まれた!)、ねむの木のはなし(美しく悲しいおはなし)。

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人物・団体紹介

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今西祐行著

児童文学作家。1923年大阪府生まれ。早稲田大学仏文科卒業。在学中から早大童話会に属し、児童文学を志す。日本児童文学者協会賞、野間児童文芸賞、小学館文学賞、芸術選奨文部大臣賞など受賞多数。1992年紫綬褒章を受章。2004年死去

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