宮沢賢治 デクノボーの叡知 新潮選書

今福龍太

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784106038464
ISBN 10 : 4106038463
フォーマット
出版社
発行年月
2019年09月
日本
追加情報
:
400p;20

内容詳細

ほとんどの作品を「未定稿」のまま遺した宮沢賢治。生涯にわたり書き換え続けられたその手稿が示す「揺らぎ」と可能性を丹念に追うなかで、賢治世界=イーハトーブのまったく新しい姿が見えてきた。石、風、火山、動物などの実在物や、心象、未完といった構造に隠された賢治の創造原理を解き明かし、いまを生きる私たちの「倫理」を問う、画期的批評。

目次 : 1 太平洋にタイタンは要らない―“海”について/ 2 模倣の悦び―“動物”について/ 3 風聞と空耳―“風”について/ 4 天と内臓をむすぶもの―“石”について/ 5 愚者たちの希望―“デクノボー”について/ 6 内なるレンブラント光線―“心象スケッチ”について/ 7 方角の旅人たち―“北”について/ 8 終わらない植民地―“未完”について/ 9 無可有郷からの通信―“ユートピア”について/ 10 血、虹、半影の夢―“死”について

【著者紹介】
今福龍太 : 文化人類学者・批評家。1955年東京に生まれ湘南で育つ。1980年代初頭よりメキシコ、カリブ海、アメリカ南西部、ブラジルなどに滞在し調査研究に従事。その後、国内外の大学で教鞭をとりつつ、2002年より群島という地勢に遊動的な学び舎を求めて「奄美自由大学」を創設し主宰する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • Koichiro Minematsu さん

    好んで読む宮沢賢治ですが、本著であらためて全集を読んでみたくなりました。本著は「宮沢賢治、心象スケッチ研究書」と思います。ソローが、ダーウィンが、ルイス・キャロルが、つながっていく。そして、ファンタジー(幻想=幽霊)の行き先につどりつくには、銀河鉄道に乗るしかありません。文化人類学者の筆者だからこその力書だと感じます。

  • ❁Lei❁ さん

    現代の諸問題と絡めて語られる新鮮な賢治論。エコロジーや植民地主義など、ちょうど興味のあるところを学べて面白かったです。特に「太平洋」が平和への希望を持つものであり、ゆえに「銀河鉄道の夜」の天空世界がパシフィックに浮かんでいる、という説が素敵でした。また全体を通して類似した海外文学を参照し、世界規模の考察がなされており、著者の叡知にも脱帽の一冊です。

  • ポカホンタス さん

    賢治の作品を縦横に引用しながら、海について、動物について、風について、石について、デクノボーについて論じられる。ベンヤミン、アガンペン、オクタビオ・パス、などが参照され、文化人類学的な視座から、賢治を世界の中の賢治としてトランスカルチュアルに読み解いていく手際が鮮やかでいろいろと刺激をいただいた。先日開催された宮沢賢治学会主催の冬季セミナーでの講演も聞けたのでよかった。

  • Sherlock Holmis さん

    生涯岩手の地に根差しつつ、該博な知識と感性で独自の文学世界を打ち立てた宮沢賢治という人物の底知れなさ、物凄さに今更ながら驚嘆したが、本書の眼目はそこに無い。想像力さえあればどこへでも飛んでいける(読めば分かるが本当にどこへでも)、ということに気付かされ、今自分が見ている世界の枠組みそのものを考えさせられる豊かな読書になった。二〇二〇年五月のタイミングで読めたことは幸運だった。

  • まおまお さん

    初めて宮沢賢治の批評本を読んで、分かっていなかったことを知ることが出来て良かった。今福氏の解釈法によるところもあるのかもしれないけど、時が進むにつれ置き去りにされて来たであろう人間のなかのコスモスのつかみ方が示唆されていたように思うし、それによって気持ちが潤った。オクタビオ・パスの詩人が詩を書く時の目の開け方の紹介のくだりも素晴らしかった。読めてよかった。

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今福龍太

文化人類学者・批評家。1980年代初頭からラテンアメリカ各地で人類学的なフィールドワークに従事。早くから写真、映画、音楽、メディア、スポーツ、文学等の領域でも旺盛な批評活動を展開。2002年から奄美・沖縄・台湾の群島を結ぶ遊動型の野外学舎“奄美自由大学”を主宰。ブラジルのサンパウロ・カトリック大学で

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