日本永代蔵 全訳注 講談社学術文庫

井原西鶴

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784062924757
ISBN 10 : 4062924757
フォーマット
出版社
発行年月
2018年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
456p;15

内容詳細

生真面目すぎる商人、ドラ息子、度を越した吝嗇たち。越後屋は「現金掛け値なし」で大当たり、一方別の二代目は金を使い込んで勘当、物乞いに説教をくらう。元禄前夜、富を築き、また守らんとあがく庶民の姿を活写した、井原西鶴による町人物浮世草子の大傑作。人間の面白さと、お金の稼ぎ方を教えてくれる、江戸期以来のベストセラーを完全新訳。

目次 : 初午は乗てくる仕合/ 二代目に破る扇の風/ 浪風静に神通丸/ 昔は掛算今は当座銀/ 世は欲の入札に仕合/ 世界の借屋大将/ 怪我の冬神鳴/ 才覚を笠に着る大黒/ 天狗は家な風車/ 舟人馬かた鐙屋の庭〔ほか〕

【著者紹介】
井原西鶴 : 寛永19(1642)‐元禄6(1693)。俳諧師、浮世草子作家。『好色一代男』『世間胸算用』など

矢野公和 : 1943年東京生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修了。文学博士。元東京女子大学教授

有働裕 : 1957年兵庫県生まれ。東京学芸大学大学院教育学研究科修了。教育学修士。現在、愛知教育大学教授

染谷智幸 : 1957年東京都生まれ。上智大学大学院博士前期課程修了。文学博士。現在、茨城キリスト教大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • かんがく さん

    元禄文化を代表する作家・井原西鶴の代表作。江戸時代の庶民の成功譚や失敗譚、金銀にまつわる短編が全30編おさめられている。注釈が豊富なので原文でも大意はわかるが、そこに丁寧な現代語訳、そして時代背景などの解説まで付いているのでとても読みやすい。北前船で栄えた酒田、敦賀、貿易で栄えた長崎、中心都市であった江戸、大坂、京都など日本全国の様子が活き活きと描かれている。金平糖を作って大儲けした人や、遊郭の屏風を売って稼いだ人、貧乏神にお祈りする人など、話としても面白かった。江戸時代の庶民生活を知るのに最適な史料。

  • いのふみ さん

    本邦初の経済小説ともいわれる本書。明らかな誇張や法螺話まで用いて、商人たちの商行動や蓄財を肯定する。一方で、人の世を冷徹に洞察したり、常道を解いたりもする。西鶴はなかなかの曲者だろう。

  • 禿頭王 さん

    日本初・世界初の経済小説。「始末大明神の御託宣にまかせ、金銀を溜むべし」「近道にそれぞれの家職を励むべし」「ただ金銀が町人の氏系図なるぞかし」「銀さへあれば何事もなることぞかし」など、資本主義社会を端的に言い表した言葉が痛快です。また、ビジネスの目の付け所やコンプライアンスの大切さなど、物語1つ1つから色々な教訓を引き出せます。中嶋驕w西鶴に学ぶ貧者の教訓・富者の知恵』とあわせて読むと、理解が深まります。

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井原西鶴

1642(寛永19)‐1693(元禄6) 江戸時代前期を代表する俳諧師、浮世草子作者。大坂の商家に生まれる。39歳で、一日に4000句を一人で詠む「矢数俳諧」に成功して名声を得た。41歳時に浮世草子『好色一代男』を出版。当時の出版界に衝撃を与え、以降人気作家となる。52歳歿

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