あちらにいる鬼 朝日文庫

井上荒野

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784022650177
ISBN 10 : 4022650176
フォーマット
出版社
発行年月
2021年11月
日本
追加情報
:
351p;15

内容詳細

1966年、講演旅行をきっかけに男女の仲となる二人の作家―白木篤郎と長内みはる。繰り返される情事に気づきながらも心を乱さない篤郎の美しい妻、笙子。愛と“書くこと”に貫かれた人間たちの生を描ききった傑作。至高の情愛に終わりはあるのか?

【著者紹介】
井上荒野 : 1961年東京都生まれ。89年「わたしのヌレエフ」でフェミナ賞、2004年『潤一』で島清恋愛文学賞、08年『切羽へ』で直木賞、11年『そこへ行くな』で中央公論文芸賞、16年『赤へ』で柴田錬三郎賞、18年『その話は今日はやめておきましょう』で織田作之助賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • bunmei さん

    著者の父である作家・井上光晴と瀬戸内寂聴、光晴の妻・郁子の3人をモデルに、寂聴の生涯を辿る中で、男女の抜き差しならない恋愛模様を描いていた作品。恋愛に対して自分の想いに突き進む肉食系のみはる(寂聴)と静観して身を守ろうとする草食系の篤郎(光晴)の妻・笙子(郁子)。その2人を対比する中で、奔放な女性関係ではありながら、どこか優柔不断な篤郎の恋愛観を、妻と愛人の目線を通して、普通では考えられない不思議な三角関係を描いている。寂聴の魅力は、紆余曲折な人生の中で、一人の男へ愛を貫いた強さと生き様がにあるのだろう。

  • ゆいまある さん

    井上光晴とその妻、そして恋人瀬戸内晴美の3人をモデルにした物語を光晴の娘である荒野が書く。男は多情で、常に何人もの恋人の間を揺れ動き、女は勿論、家庭を捨て何度も大恋愛を繰り返した人である。男がただの屑でなく、愛すべき人だから、妻はその恋人達の身を案じ、おおらかな女は恋が終わった後も男の家族と交流を続ける。光晴は死に、その妻も死ぬ。寂聴も死んで、3人は今同じ墓地に眠っている。彼の妻に、男の面影を探すように会いたがる女。こんな愛もある。こんな形にできれば良かった。静かな筆がより一層思いを深くさせる。

  • じいじ さん

    とにかく凄い小説だった。これは実の娘でなければ書けなかった小説である。作家井上光晴とその妻、その間に作家瀬戸内寂聴が割って入った不倫の恋が描かれている。この三角関係は才智に長けた女性二人がドロドロしていないのに清々しさを覚える。でも、本妻の心中は、烈しく波打っていたと思う。当時5歳だった作家・井上荒野の紛れもない力作である。……まったくの偶然なのだが、昨日「寂聴さんが99歳で死去」の悲報が流れてきた。近影の寂聴さんの笑顔が、とても印象的だった。

  • はるを さん

    🌟🌟🌟🌟☆。積読本。(11月公開の映画に先立ち予習として読んだ。)井上作品二作目の挑戦は、故 瀬戸内寂聴と著者の両親(をモデルにした登場人物)の人生の折り返しを描いた人間ドラマ。『だれかの木琴』が面白くなかったので正直かなり不安の中、読み始めてみた。不倫の話をひたすら進めて終わっていくだろうと思いきや、みはるが"瀬戸内寂聴"(作品の中では"長内寂光")になって初めてこの物語が始まるのだと感じた。思っていた内容と全然違っていたけれど面白かった、というより大変良かった。映画も楽しみ。

  • 神太郎 さん

    惹句に惹かれたのと瀬戸内寂聴さんが亡くなったのも重なり購入。もっとドロドロしてるのかと思いきや軽妙ではないものの読み口はかなりあっさり。もっと交わされた言葉なりシーンを挟めば濃密なのだろうけど、あえて書かずに行間や視点が移動したときに読者が察するように描いているからクドくならない。旦那の奔放さには辟易するがそんな男に二人の女がどう思い、男の背後にお互いを感じ何を思うか。非常に奇妙な関係性だ。友情って呼んでいいのか?実に不可思議なバランスの上に成り立つ関係性。女性の訣別と愛、これは男が思う以上に複雑かも…。

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人物・団体紹介

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井上荒野

1961年、東京都生まれ。成蹊大学文学部卒業。89年「わたしのヌレエフ」で第一回フェミナ賞、2004年『潤一』で第十一回島清恋愛文学賞、08年『切羽へ』で第一三九回直木賞受賞など、受賞作多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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