永遠でないほうの火 新鋭短歌シリーズ

井上法子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784863852235
ISBN 10 : 4863852231
フォーマット
出版社
発行年月
2016年06月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
東直子 ,  
追加情報
:
141p;19

内容詳細

目次 : ゆめよりも青くて/ つきをあらえば/ おかえりなさい。花野へ/ 永遠でないほうの火/ めぐるときのさかなに/ toi,toi,toi/ かわせみのように/ わたしのあとで肯いて/ ミザントロープ(初期歌片)/ そのあかりのもとで、おやすみ

【著者紹介】
井上法子 : 1990年7月生まれ。福島県いわき市出身。明治大学文学部卒業。立教大学大学院修士課程修了。東京大学大学院博士課程在学中。2009年早稲田短歌会入会。2013年第56回短歌研究新人賞次席(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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書肆侃侃房カラ出ている新鋭短歌シリーズは...

投稿日:2021/07/14 (水)

書肆侃侃房カラ出ている新鋭短歌シリーズは、個人的には当たり外れが多い。若手の妙に軽い歌集はあまり好きではないのだが、この「永遠でないほうの火」は新鋭短歌シリーズの中でもハイブローの部類に入るだろう。 軽い歌集は好きではないと言っておきながら、正直この歌集を理解できているわけではない。ただ、読んでいるうちに現実世界ではない場所に、なにか底のほうに引きずり込まれて行く感覚がたまらない。

カーク さん | 東京都 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • わっぱっぱ さん

    寂しむような、愛おしむような、なぐさめるような青の世界。短歌というよりは詩のようで、容易には読み解けないけれど、微細な水分が知らず触れてくる感じで好き。 抽象的な表現・重複するイメージは、そのまま閉ざされてしまいそうに繊細な作者の内界。それが、多用される呼びかけによって読み手へと開かれるとき、馴染んだ世界が新しい眺めに変わる。美しいです。

  • mm さん

    時に言葉を失うほど繊細。時に、めまいがするほど大胆。図書館に返してしまうのがもったいない。枕の下に敷いて寝ちゃいたいくらい。ー月を洗えば月のにおいにさいなまれ夏のすべての雨うつくしいー期待されてつらかったね蕾 泣かないように春雷を蒔くーこころをみぞおちの舟に乗せひとはなぜ唄おうとする 悲しみばかりーああ水がこわいくらいに澄みわたる火のない夜もひかりはあふれーはい。皆さま、後は読んでね。

  • kaizen@名古屋de朝活読書会 さん

    井上法子 短歌 かわせみよ波は夜明けを照らすからほんとうのことだけを言おうか 抱きしめる/ゆめみるように玻璃窓が海のそびらをしんと映せり 波には鳥のひらめきすらも届かないだろうか海はあたえてばかり みずうみと海とがあった輝きのゆたかな抱擁をしっていた 渚から戻っておいで微笑みも雪の匂いもわすれずおいで ずっとそこにいるはずだった風花がうたかたになるみずうみに春 耳でなくこころで憶えているんだね、潮騒、風の色づく町を #返歌 台風の雨風怯えこころでも耳でも潮騒時空質量

  • ちぇけら さん

    ねえきっとあなたははだか 波斯にいるという孤独の狩人よ。冬の青よりも夏の青のほうがあまりに青くて青いので、わたしはそれらを燃やそうとした。貼っては剥がした水玉のシールから水がこぼれるように、ないたよるに。折り紙の鶴よ、燃える赤で、するどく戦慄け。「煮えたぎる鍋を見すえて だいじょうぶ これは永遠でないほうの火」永遠のように遠いところからきこえるこえがまっすぐで、濃霧でにごった朝をかきわける。それは、ずっと昔、わたしがつぶやいたことばに似ていた。わたしたちをつつみこむあめは優しいから、そっと傘をとじよう。

  • 糸くず さん

    東直子さんも解説で述べているとおり、短歌を読んでいるというより現代詩を読んでいる感覚に近い。短く研ぎ澄まされた言葉で書かれた超現実的な風景は閉じた世界になりがちだけども、井上さんは原風景としての「ふるさと」を目指して書くことで、歌の世界に広がりを持たせている。「望郷は砦ではなく剥きだしの目に海よりの風がしみるよ」堅牢な〈砦〉の中ではなく、〈剥きだしの目〉でもって感じ取る。そのことが井上さんの短歌の美しさを支えている。「煮えたぎる鍋を見すえて だいじょうぶ これは永遠でないほうの火」

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井上法子

1990年7月生まれ。福島県いわき市出身。明治大学文学部卒業。立教大学大学院修士課程修了。東京大学大学院博士課程在学中。2009年早稲田短歌会入会。2013年第56回短歌研究新人賞次席(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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