日中戦争 前線と銃後 講談社学術文庫

井上寿一

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784065121610
ISBN 10 : 4065121612
フォーマット
出版社
発行年月
2018年07月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
280p;15

内容詳細

「昭和デモクラシー」が進展する一九三七年七月、盧溝橋で意図なくして戦端は開かれた。際限なく拡大する戦争に、労働者も農民も地位向上の希望を賭け、兵士たちは国家改造の夢を託す。そして新たな政治を求める国民の熱が大政翼賛会を生み出した。多彩な史料から戦時下日本のリアリティを生々しく甦らせ、“あの戦争は何だったのか”を鋭く追究する。

目次 : 1章 兵士たちの見た銃後(銃後の退廃/ 慰問袋のゆくえ/ 祖国の再興を求めて)/ 2章 戦場のデモクラシー(他者理解の視点/ 立ち上がる「文化戦士」たち/ 新しい文化の創造)/ 3章 戦場から国家を改造する(文化工作による国家の改造/ 政党政治への期待/ 社会的な底辺の拡大)/ 4章 失われた可能性(デモクラシーとしての大政翼賛会/ 大政翼賛会の現実/ 日中戦争の末路)/ 5章 「神の国」の滅亡(日本主義の盛衰/ 「神の国」のモラル/ 戦争のなかの最後)

【著者紹介】
井上寿一 : 1956年生まれ。一橋大学社会学部卒業。同大学院法学研究科博士課程、学習院大学法学部教授などを経て、学習院大学学長。法学博士。専攻は、日本政治外交史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • かんがく さん

    日中戦争について戦争指導者ではなく、労働者や小作人、女性などに着目して記述。内政における全体主義-自由主義、外交における地域主義-国際協調という軸で見ることで、近衛、東条、石原、昭和研究会、日本主義者、京都学派などそれぞれの目指した社会像がよくわかった。戦前から戦中に至る日本を単純化して捉えるのは危険。

  • かに さん

    日中戦争初期、前線の活躍により銃後の人々も熱狂する。しかし、戦争が続くにつれて慰問袋の数の減少などからもわかるように熱狂も次第に冷めていく。軍需景気に国内は湧き、前線の兵の苦労に頭が回らなくなる中、帰還兵達はその状況に悲しみを覚える。 そんな中、国内では、労働者や農民が地位向上に向けて戦争を契機にデモクラシーを進展させていく。政党も政権獲得に向け、その流れに乗っていく。それがのちの大政翼賛会の結成に繋がり、日本の全体主義化へと向かっていく。

  • 東京には空がないというけれど・・・ さん

    この本は、日中戦争の経緯や年次ごとの事件を解説したものではない。日中戦争から日米開戦、そして敗戦に向かう中で、農民や労働者という貧しい下層階級の人たちが、自らの差別を克服し、地位向上のために、「戦争」(正確には戦時体制による社会改革)を支持していたという視点で書かれたものである。上層にあるものと下層にあるものの平準化が、戦争、戦時体制においては実現できるとした運動について解説されている。さらに、現代における格差社会との関係性についても分析されている。全てに賛同するものではないが、極めて勉強になった。

  • hatohebi さん

    中島敦の一高時代からの親友・釘本久春は、日中戦争に召集され、一年弱の戦地体験を経て文部官僚となり、日本軍占領地における日本語教育のイデオローグとなった。彼の斡旋で中島はミクロネシアへ赴き、後に南洋物を執筆する。最初の全集編纂者にも名を連ねるなど、大きな影響を与えた。「山月記」の袁傪のモデルとも目される人物である。本書は、兵士としての彼の日中戦争体験を考える上で、大変参考になった。「前線と銃後」という副題があるが、主に日中戦争下の国内社会の動きを中心に辿ったものである。「国民の戦争協力は、国家が強制したの→

  • 刳森伸一 さん

    太平洋戦争ではなく日中戦争に注目し、その前線と銃後の関係から日本国内の変容を概観する。独特な歴史感だと思うが、読ませる内容だと思う。ただ、当時の人たちを少し美化しているようにも感じる(もちろん戦前礼賛系トンデモ本ではない)。

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