文化系のための野球入門 「野球部はクソ」を解剖する 光文社新書

中野慧

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784334105877
ISBN 10 : 4334105874
フォーマット
出版社
発行年月
2025年03月
日本
追加情報
:
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内容詳細

根性論ばかりで、性差別的で、上下関係に厳しく、集団で群れて偉そうにしている―。いわゆる文化系の人間やSNSの世論を中心とした、野球部、そして体育会系への批判は根強い。しかし、実はそうした野球(部)に対する理解の方が、ステレオタイプで画一的なものではないだろうか?アメリカの野球創世“神話”、一高のエリート主義、天狗倶楽部のバンカラ精神、朝日新聞と甲子園、戦後民主主義と武士道野球…そういったものの上に、現在の「野球文化」は成り立っている。野球というスポーツを漫画やアニメと同じポップカルチャーとして捉え、批評を通じてこの国の野球と社会をつなぎなおす。

目次 : 第1章 “体育会系”としての日本の野球文化/ 第2章 現代の“体育会系”はどうなっているのか?/ 第3章 アメリカの「創られた野球神話」/ 第4章 エンジョイ・ベースボールから「魂の野球」へ―戦前のトップエリート校・一高で起こった変化/ 第5章 天狗倶楽部と野球害毒論争―早慶戦から甲子園野球の誕生へ/ 第6章 「帝国主義」と日本野球―大正〜昭和の論点/ 第7章 戦後日本野球とさまよえる男性性―武士道とスポーツジャーナリズムから/ 第8章 野球とスポーツの価値論

【著者紹介】
中野慧 : 編集者・ライター。1986年、神奈川県生まれ。一橋大学社会学部社会学科卒、同大学院社会学研究科修士課程中退。批評誌「PLANETS」編集部、株式会社LIG広報を経て独立。現在は「Tarzan」などで身体・文化に関する取材を行いつつ、企業PRにも携わる。クラブチームExodus Baseball Club代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • よっち さん

    大谷翔平ら日本人メジャーリーガーの活躍が埋め尽くすテレビのニュースと、インターネットやSNSの世界のねじれが生じている原因を野球の歴史から考察する1冊。体育会系としての日本の野球文化はどのように変わってきたのか、そして現代の体育会系はどのようなものになっているのか。アメリカの創られた野球神話、戦前の日本トップエリート校・一高で起こった変化、天狗倶楽部と野球害毒論争や、「帝国主義」と日本野球、戦後日本野球やスポーツの価値論から野球の位置付けがどのように変わっていったのかを解説するなかなか興味深い1冊でした。

  • ta_chanko さん

    高校野球・大学野球・社会人野球・NPB・MLBがどういった経緯で現在のような地位を獲得してきたのかがよくわかる。本格的な野球の歴史書。身体接触を伴わないユニバーサルスポーツとしての起源。一部のエリート学生の遊戯としてのはじまった高校野球と大学野球。それとは別に、お金を稼ぐための手段としてはじまった職業野球。戦争の時代の中で「野球道」的な精神性が強調された歴史。戦後は武道の衰退とともにその傾向が顕著になった。また消費文化の発展とともに新聞社などによる商業的な側面がどんどん強まっている。

  • 佐倉 さん

    煽情的なタイトルではあるが、アメリカでの野球の成り立ちから日本での定着、そして戦後から現代までの長い射程で「なぜ野球がこのような立ち位置にあるのか?」を紐解いていく好著だった。一高などで受容されたサブカルチャーが批判にさらされる中で国家というメインカルチャーへの目配せ的に武道的な面を押し出していく流れ、その中で野球を楽しむという方向性へと回帰する天狗倶楽部の存在、戦後にメインカルチャーとして返り咲く中、かえって軍国主義的な面がにじみ出てくるという流れ…野球に限らずスポーツ全体の問題点を考えさせられる。

  • さとうしん さん

    高校野球の構造的問題、女子マネに示されるジェンダーの問題から始まってアメリカでの野球の発祥、日本での受容と野球害毒論争、中国東北部や台湾など外地での広まり、そして戦後の展開と課題といった具合に話題が詰め込まれていて読み応えがある。結論としては学校を出て就職した後も、野球経験者も未経験者も、あるいは男性だけでなく女性も野球ができる(あるいは続けられる)環境を整えていくべきということになるんだろうか。

  • 電羊齋 さん

    野球部・体育会系への否定的イメージから説き起こし、野球部ひいては野球界の抱える問題を解剖する。明治大正にすでにあった勝利至上主義批判、本来包摂的特性を持っていた野球が次第に「男らしさ」に回収されていく過程、高校野球の問題、「男性性」の象徴の「軍人」から「野球選手」への移行、そして「見るスポーツ」としての消費、スポーツ新聞と「Number文学」に見られる野球への技術論的・批評的視点の欠如など興味深い指摘が多い。体育会系、文化系、ジェンダーの枠に囚われない野球、体育、スポーツの在り方を訴える著者には賛同。

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中野慧

編集者・ライター。1986年、神奈川県生まれ。一橋大学社会学部社会学科卒、同大学院社会学研究科修士課程中退。批評誌「PLANETS」編集部、株式会社LIG広報を経て独立。現在は「Tarzan」などで身体・文化に関する取材を行いつつ、企業PRにも携わる。クラブチームExodus Baseball Cl

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