カミュ伝

中条省平

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784797680782
ISBN 10 : 4797680784
フォーマット
発行年月
2021年08月
日本
追加情報
:
221p;18

内容詳細

『異邦人』『ペスト』という世界文学史上に燦然と輝く傑作を発表し、ノーベル文学賞を受賞。数々の栄光に包まれながら、自動車事故により突然この世を去った、不世出の作家アルベール・カミュ。アルジェリアでの極貧の幼少期、不治の病・結核との闘い、ナチスに蹂躙されたパリでのレジスタンス活動、幾多の女性とのロマンス―不条理な運命に反抗し続け、四六年の人生を駆け抜けたカミュの波瀾の生涯と作品、そして思想にせまる。

目次 : 第1章 アルジェの青春―太陽と死の誘惑/ 第2章 闘う新聞記者―現実へのコミットメント/ 第3章 衝撃の作家デビュー―『異邦人』の世界/ 第4章 結核による追放―シーシュポスとは誰か/ 第5章 戦争への参加―レジスタンスの日々/ 第6章 演劇人としての成功―『カリギュラ』の二重性/ 第7章 小説家の賭け―『ペスト』の意味するもの/ 第8章 二度の舞台の陰で―『戒厳令』と『正義の人びと』/ 第9章 ふたつの苦い戦い―『反抗的人間』論争とアルジェリア戦争/ 第10章 早すぎた晩年―孤独と栄光の果てに

【著者紹介】
中条省平 : フランス文学者。1954年、神奈川県生まれ。学習院大学文学部フランス語圏文化学科教授。パリ大学文学博士。フランス文学の評論・翻訳をはじめとして、映画、マンガなどの分野でも執筆を続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • パトラッシュ さん

    思った通りに生きることは難しい。まして生き方が注目される著名な文学者となると、政治や世論と無関係ではいられない。貧困や戦争の中で自由とは何かを学び作家として成長したカミュにとって、同時代の主潮流であった左右を問わぬイデオロギーは支配を求める現実政治の不条理そのものであった。しかし厳しい東西対立と植民地解放こそ善とされた時代、故郷アルジェリアとフランスが引き裂かれることに苦しむ彼の心情は理解されなかった。ノーベル賞すら栄光ではなく批判にさらされたカミュにとって、事故による急死は長い苦悩からの解放だったのか。

  • おたま さん

    中条省平氏訳による新訳の『ペスト』とほぽ同時に出版されたこの『カミュ伝』。非常にタイムリーだと思う。不条理な人生を生きていくのに必要なのは「反抗」と「自由」と「情熱」だとカミュは言う。不条理と言う言葉とはうらはらにまことにロマンティックな在り方ではないか。カミュの人生はこれを地で行くものだった。少年期に結核になり、死という不条理に直面せざるをえなかった。母親は、耳が聞こえず、寡黙であり、文字を読むこともできなかった。カミュの文学はそうした不条理や沈黙につりあうだけの言葉を生み出す努力だったのだと思う。

  • ザフー さん

    ニヤリとする題のセンスと著者名を見て即レジ。『気狂いピエロ』や初期北野武を通じて私にも根を下ろす、核心的な生死のイメージーー海と太陽、不条理(absureed)ーーは、明らかにルーツにカミュのミームがありそうだ。だけでなくサルトル論争やレヴィ=ストロースを引かずとも、彼は私たちの思想的結節点にも立っているように思えた。〈明るく見きわめる(clairvoyance)=いま、ここ〉の生の陽と、不条理、病苦と鬱、陰のコントラスト。カミュは太陽を背光にしたママンの逆光の肖像を纏うかのようだ。祝『ペスト』著者新訳。

  • NY さん

    過去、カミュの評伝には何冊か挑戦したがことごとく挫折。本書はカミュの人生(特に人間関係)と激動の時代背景、これらがどのようにカミュの考え方に影響し、作品に反映されていったかを分かりやすく示しており、最後まで読み通すことができた。 カミュは、生きることに貪欲(強い渇望)で、「正義」のために人を殺すことに一貫して反対した。彼の考え方は、目の前の不条理に抗するにはナイーブだったかもしれない。しかし、決して無力ではなく、理不尽な現実を直視してできる限りのことをするという、極めて強靭な精神に支えられているのだ。

  • Melody_Nelson さん

    「異邦人」は高校生の頃に読んだが衝撃的で、自分の人生で感銘を受けた本の1冊になった。「ペスト」も好きだったのだが、昔読んだエッセイだか批評や、「幸福な死」は読みにくさを感じて、以後避けてしまっていた。このように、熱心なカミュの読者とはいえない自分だが、本書でカミュ自身について知ることができ(幼少期は可哀そう)意義深く、改めて興味をもったので、まだ読んでいない作品、例えば「カリギュラ」「転落」などを読んでみたくなった。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

人物・団体紹介

人物・団体ページへ

中条省平

1954年、神奈川県生まれ。学習院大学フランス語圏文化学科教授。パリ大学文学博士。専攻の19世紀フランス小説だけでなく、映画・マンガにも造詣が深い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

プロフィール詳細へ

哲学・歴史・宗教 に関連する商品情報

おすすめの商品