日本語文体論 岩波現代文庫

中村明 (国語学者)

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784006003418
ISBN 10 : 4006003412
フォーマット
出版社
発行年月
2016年02月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
372p;15

内容詳細

眺める人間なしに風景は存在しない。作品をなす言語的軌跡の場で作者と対話する読者の主体的受容行動が“文体”というダイナミックな現象を実現する。独自の文体観が文体論の視界を拡げ、枠組を転換した。本書は半世紀にわたり文体研究ひとすじに歩んできた著者が、日本語表現に関心のある読者のために、作家の名文を具体例として、文学への文体論的アプローチを示す基本書である。

目次 : 1 文体の発見―さまざまな文章を生み出すもの/ 2 文体研究の展望―文体観と方法論のパノラマ/ 3 文体論の構想―ことばの奥に響く対話/ 4 文体分析のモデル―実験室の現場から/ 5 作品の文体―人のいる表現風景/ 6 作家の文体―作品に映る人の生き方

【著者紹介】
中村明編 : 1935年山形県鶴岡市生まれ。早稲田大学大学院修了。国立国語研究所室長・成蹊大学教授を経て、早稲田大学教授、現在は名誉教授。文体論・表現論専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • またの名 さん

    同じ対象を身近な喩えで柔らかく語るのも厳密な定義と論理で説明するのも可能だし、同じ書き手でも作品や時期により異なる文体を考察。先行研究を列挙し問題点も確認しつつどんなモデルを設定すれば適切に分析できるか提言する辺りは参考になったけど、作家一人の文体の同一性だけで既に揺らぎを含むのに読者ごとに受け取る印象や解釈が異なるダイナミズムを考慮すべきという指摘を踏まえると、考察者の主観のみに依拠した研究は難しい。文体と言う以上個人の性格を語らざるを得ないが行き過ぎは憶測になる等、まだまだ課題を抱えた前途多難な分野。

  • izw さん

    読書しながら時々は「文体」を意識することがあるが、文体に関する著作を読むのは久しぶりだ。2章で「文体」の先行研究を紹介しているが、扱っている対象・範囲が様々なことが分かる。3章以後は著者が研究対象と考える<文体>の概念の定義、方法論を示し、実験的文章でのモデル、「坊ちゃん」という作品に現れる文体、井伏鱒二の作品に現れる文体の一端を紹介している。日頃の疑問に答えてくれる部分も多く、一気に読み終え、<文体>を構成するものに何があるかの理解は進んだ。

  • あ さん

    第一部で文体を左右する要素を具体例とともに網羅的に列挙し、第二部で日本における文体論研究の歴史を簡潔に描写。それを踏まえて第三部以降で著者の提案する文体論研究の手法や目的をスケッチしつつ、簡単な実践例をも提示する。多岐にわたる内容を360頁程度に凝縮しているので全体的に駆け足気味だが、このマイナーな研究分野の雰囲気に触れるには十分。これから文体論研究に携わる意思がある人には貴重な入門書になると思うが、文体論研究じたいに、文芸批評家のセンスと直感に依存した名人芸に対抗し得る決定打があるかどうか......

  • 湯豆腐 さん

    文体は計量分析だけで計れるものではなく、作者、作品、読者それぞれの積極的な交わりのなかで生まれる。本文では抑制された筆致で解説してくれているが”あとがき”から読み取れる作者の文体は言葉のリズムと言い回しによる笑いで軽妙さを生んでいる。分析対象にもしてるけど井伏鱒二大好きだろ。

  • 910 さん

    文体論の歴史、現在の展開を知るのに良い。著者の実践部分は鵜呑みにしすぎないのが大切かと。

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