基本情報
内容詳細
清少納言、藤原定家から、夏目漱石、井伏鱒二、太宰治、村上春樹、小川洋子まで―。カーンと冴えわたる比喩、はっと驚くオノマトペを発見し、締め付けられるような悲哀やほのぼのとおかしいユーモアに心を掴まれる。日本語学の第一人者とともに、日本語の名所を訪ね歩く。明日から真似したい表現の歴史遺産。
目次 : 天象―秋の夕陽の中で静かに熟れてゆこう/ 気象―晴れた空から忘れられた夢のように白い雪片が/ 時間―季節は街に、和菓子屋の店先から/ 大地―この道より吾を生かす道なし、この道を行く/ 生涯―風は清し月はさやけしいざ共に踊り明かさん老の名残に/ 人間―あんな所へ誰が行くもんかと意地になる/ 立場―学者はわからぬものをありがたがる/ 顔面―下顎が出っぱっているとせりふに凄みがつかない/ 人体―一寸肱を曲げて、此縁側に一眠り眠る積である/ 思考―少女の恋は詩、年増の恋は哲学/ 感情―鏡の余白は憎いほど秋の水色に澄んでいる/ 感覚―お燗ぎすぎすして、突っ張らかって/ 学芸―秘すれば花なり/ 秘すれば花なり、秘すれば花なるべからず/ 動物―じいという煙のような声が立ち浸みている/ 植物―鋭く天を指しながら地の雪に立った/ 住居―西洋の風呂は事務的、日本の風呂は享楽的/ 生活―通夜で飲む酒が一番うまい/ 運命―文章推敲のシンボル漱石の鼻毛が焼失
【著者紹介】
中村明編 : 1935年9月9日、山形県鶴岡市の生れ。国際基督教大学助手、国立国語研究所室長、成蹊大学教授を経て、母校の早稲田大学教授となり、現在は名誉教授。『角川新国語辞典』『集英社国語辞典』編集委員。『日本語 文章・文体・表現事典』(朝倉書店)編集主幹。日本文体論学会代表理事(現在は顧問)、高校国語教科書(明治書院)統括委員などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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takao さん
読了日:2023/11/04
Satsumaimo Marron さん
読了日:2022/10/24
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