キッドの運命 集英社文庫

中島京子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087444414
ISBN 10 : 4087444414
フォーマット
出版社
発行年月
2022年10月
日本
追加情報
:
220p;16

内容詳細

廃墟化し、取り残された高齢者が暮らす高層マンションを管理することになったレナ。そこには、忽然と人がいなくなるという都市伝説があるらしく…(「ふたたび自然に戻るとき」)。もう、二度と自分の子供を奪われたくない―勝手に中絶した元妻に怒った「ぼく」は、人工子宮を移植して妊娠するが…(「赤ちゃん泥棒」)。こんな奇妙な“明日”がすぐそこに?現代を照射する、著者初の近未来小説!

【著者紹介】
中島京子 : 1964年東京生まれ。東京女子大学文理学部史学科卒業。出版社勤務ののち、フリーライターに。米国滞在を経て、2003年『FUTON』で小説家としてデビューする。10年『小さいおうち』で第143回直木三十五賞を、14年『妻が椎茸だったころ』で第42回泉鏡花文学賞を受賞。15年『かたづの!』で第3回河合隼雄物語賞、第4回歴史時代作家クラブ賞作品賞、第28回柴田錬三郎賞の三冠を達成し、同年『長いお別れ』で第10回中央公論文芸賞、16年第5回日本医療小説大賞を受賞。20年『夢見る帝国図書館』で第30回紫式部文学賞を、22年『ムーンライト・イン』『やさしい猫』で第72回芸術選奨文部科学大臣賞(文学部門)を、同年『やさしい猫』で第56回吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 相田うえお さん

    ★★★☆☆22106【キッドの運命 (中島 京子さん)】星新一さんや三崎亜記さん系(SF)短編集@絶滅種のDNAから復活再生?A廃墟マンションの管理話と思いきや、奥の深い話B人工知能が人の手に余るものとなれば、その技術追求を禁止,放棄することもあるかもC未来では野菜を育てるのも大変だ〜D未来の子作りは色々な方法があるE人類が生きているだけで地球にとって迷惑な存在だっていうの、たしかにねぇ〜。◯解説がオススメ!とても興味深いことが書かれていて考えさせられました。人類、このままこんなことをやってていいのか!

  • エドワード さん

    以前読んだ「カゲロボ」にしろ本作にしろ、最近、未来はディストピアとして描かれる。1970年の大阪万博の頃とは大違いだ。確かにあの頃はエアコンのある家はなく、扇風機だけの夏は暑かったけど、熱帯夜も残暑もなかった。ビデオがないから、テレビ番組は一生懸命見た。一事が万事その調子で、インターネットにしろ携帯電話にしろ、文明が進めば負の側面が必ず現れる。遺伝子から再生する人類、タワーマンション、人工子宮、そんなもの発明するなよ〜日本語がラテン語化し、世界人口を調節する食べ物が発明される「チョイス」が一番怖いね。

  • tenori さん

    近未来の日本とアジアを描いたなかなかにシュールな6篇の短編。日本は二度の津波と原発事故によって国土の半分を喪い事実上消滅した。『ふたたび自然に戻るとき』では高齢者だけが暮らす首都域のタワーマンションが再自然化し、カラスとコミュニケートした居住者が鳥葬を依頼するに至る経緯が人間(遠隔で建物の管理をしている)とカラスとの双方の視点から語られる。『赤ちゃん泥棒』での生殖と人工子宮の発想は川上未映子さんや村田沙耶香さんほどの衝撃はないものの、社会に対する疑念や危機的意識としては似たような匂いを感じた。

  • ざるこ さん

    近未来を描いた6篇。今まで読んだ著者作品で一番好きかも。震災や原発事故後というリアルを置いてもシリアスになりすぎないのがいい。介護、ヒキコモリ、安楽死。今抱える問題を過去の出来事として皮肉たっぷりに描いてるようだけど今に訴えたいんだろう。個性的な人物と独特のユーモアで楽しく読めるのは貴重。人工子宮移植を受ける妊婦ならぬ妊夫「赤ちゃん泥棒」想像キツイ!ゆっくり不具合なく健康を失って死ぬサプリ「チョイス」いつか寿命を管理される時代が来るのかな。自分の葬り方を自分で選んだ「ふたたび自然に戻る時」はじーんとくる。

  • じーにあす さん

    6つの短編集。近未来を描きながらも現在の問題などが過去として語られたりしている。便利な世の中になった、科学は進歩した、それで人は幸福になったのか。解説に「もういいよ、これ以上進歩しなくって、と毎日のように思っているのだが、あんまり言えない」とあったが、全く同感なのよね。でも、労働しない世界っていいなぁと思った。人口増加が危険だって考え方も同感。ディストピアではないのだけど、どこか崩れた不穏な未来。有り得る未来。便利になって失う物もあるんだろうけど、それは今現在生きている人も同じなんだろうね。

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