中上健次集 5 枯木灘、覇王の七日

中上健次

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784900997554
ISBN 10 : 4900997552
フォーマット
出版社
発行年月
2015年06月
日本
追加情報
:
373p;20

内容詳細

日本近代小説の到達点にして、中上文学の頂点をなす代表作「枯木灘」。わが子を殺害された後の浜村龍造の心理の彷徨を描く「覇王の七日」。中上健次を一気に現代文学のトップランナーに押し上げた、秋幸三部作の必読巻。高澤秀次による84ページに及ぶ最新詳細年譜、奥泉光による渾身の解説、厳密な本文校訂を施して贈る決定版!

関連エッセイ六篇、二著の限定版貴重写真、作家論の再録・書下しほか、重要資料満載。
書下し解説:奥泉光╱解題:高澤秀次╱写真:港千尋╱
月報32頁:上原善広・蓮實重彦・紀和鏡
口絵資料付。

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読書メーターレビュー

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  • minoru さん

    紀州サーガ2作目。秋幸の黙々と肉体労働で働く感じがやっぱり印象的だが、即物的だとも思う。血縁が複雑で濃いため閉塞的だ。個人的には盆踊りの場面の“きょうだい心中”が話される場面で鬱屈となった。父への忌避や兄の死が執拗に繰りかえされていた。

  • Yanqiu さん

    象徴的に幾度も登場する夏芙蓉とその香気、執拗に繰り返される秋幸の生い立ち、西村の者、竹原の者、また浜村の者、そしてこの独特の文体……あらゆる要素が「紀州サーガ」を織り成していて圧巻です。土方仕事のときにあらゆる呪縛からの解放を覚える秋幸、秀雄を殺すとき郁男に殺される自分を重ねる秋幸が印象的でした。ラストシーンで徹が「白痴の子」を再び誘うシーンがかなり奇怪だったのですが、彼らの周りを意識して読み直したい本。

  • Ryosuke Tanaka さん

    "博打で土地が飛んでいた頃の話"を聞く機会があって手にとった。『軽蔑』がわからなかったのに比べすっと入った。骨組みはヨクナパトーファ・サーガまんまだが(ドストエフスキーを軽蔑しながら書いたとあるように)筋肉質な文体と口承っぽい語りがすごい密度で結実している感じがした。これが77年で『なんクリ』が80年ということを思い都市と周縁の異時性を強く感じた。

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人物・団体紹介

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中上健次

1946・8・2〜1992・8・12。和歌山県生まれ。新宮高校卒。熊野を舞台にある血族と路地と呼ばれる共同体を中心に据えた「紀州サーガ」とも呼ばれる土着的な独自の作品を数多く発表した。1976年『岬』で第74回芥川賞を受賞、戦後生まれ初の芥川賞作家となる。77年『枯木灘』で毎日出版文化賞、芸術選奨文

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