基本情報
内容詳細
西欧と日本の間に立つ苦しさの解決を、山田は一挙に日本の「国民音楽の樹立」へと向けたが、それはひとり、山田という日本の近代の文化創造を夢見た音楽家にかぎらず、日本という国家の立ち方を映すものであったろう。脱西欧、対西欧の一つの方法としてのアジア侵略と、ナショナリズムの強化。そうして日本を世界に主張しようとした図式は、山田の軌跡と等しい。その意味で彼は、まさに時代そのものであった。
目次 : 第1章 ベルリンの道/ 第2章 母―シュプレ河のほとり/ 第3章 歌舞伎とオペラ/ 第4章 堕ちたる天女/ 第5章 からたちの花/ 第6章 黒船(夜明け)/ 第7章 新しき土/ 第8章 聖戦讃歌/ 第9章 戦時下で/ 第10章 新世紀への道
【著者紹介】
丘山万里子 : 東京生まれ。筑波大(元教育大)付属高から桐朋学園大学音楽学部作曲科、音楽美学専攻。同大音楽学研究室助手を経て音楽評論の道に入る。1976年、「音楽現代」誌の第1回新人評論、新人賞受賞。1978年、「音楽旬報」紙、1981年より「毎日新聞」紙で演奏会評担当。「音楽芸術」誌等に執筆。1987年、音楽財団のスカラシップを得て約1年、ウィーンに留学。1990年、第1評論集、現代日本作曲家論「鬩ぎ合うもの超えゆくもの」(深夜叢書社)刊行。徳間CD文庫クラシック・シリーズ「作曲家と女たち」全14巻執筆。1992年、「吉田秀和私論、なお語りたき音」(楽社)刊行。ミュンヘンに1年遊学。「朝日新聞」「日本経済新聞」「東京新聞」に海外レポート送稿。1993年帰国。1994年、日本大学文理学部講師。1995年、「翔べ、未分の彼方へ・チェリスト青木十良の思索」(楽社)刊行。「失楽園の音色」(二玄社)刊行。1998年、「音楽の友」「時事通信」演奏会評、音楽時評、書評担当。1999年〜2002年3月、音楽批評紙「ブリーズ」創刊、編集、発行人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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人物・団体紹介
丘山万里子
東京生まれ。桐朋学園大学音楽学部作曲理論科卒。同大学助手を経て音楽評論の道に入る。『音楽現代』誌第一回新人評論、新人賞受賞。日本大学文理学部非常勤講師。現代作品における東洋思想を軸に、日本の作曲家論を中心とした評論を展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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