母をたずねて三千里 6

■第２１話「ラプラタ川は銀の川」
　母さんに再び会うために、マルコの移民船での旅は続いていた。だが、その前途にいまだ光明は見えてはこない。マルコの心の疲労は、マルコを悪夢の世界に引きずり込んでいた。母さんは死んだ。しかも、自分が辿り着くほんの前日に……。それは幻影である。だがそれは、マルコの心を激しくかき乱した。マルコは甲板へ飛び出し叫ぶ。「早く、早くかあさんのところへ船をやって！」
■第２２話「かあさんのいる街」
　移民船はブエノスアイレスへ入港した。マルコは一路、ロスアルテス通りを目指す。だが、母の消息を知るはずのメレッリは夜逃げして行方不明。母の居所も知れず、落胆し、気を失ってしまうマルコ。だが、メレッリをバイアブランカで見たという話を聞いたマルコは、そこへ向かう事を決意する。しかし汽車に乗ろうとしたマルコは、持ち金を全てスリに取られていた事に気が付いた！
■第２３話「もうひとりのおかあさん」
　持ち金全てを失い、途方に暮れるマルコ。しかも移民局で母の行方を尋ねた折、２、３か月前に行き倒れになったアンナという女性がいると聞き、愕然となる。サンタマリア教会の慈善病院を尋ねたマルコが出会った病床の母さん……それはマルコの母とは別人だった。だが病に苦しむ姿が母の姿に重なり、マルコは泣きながら看病をする。そして彼女は、子供の名前を呼び、安らかに息を引き取った……。
■第２４話「待っててくれたフィオリーナ」
　母の消息は、マルコの必死の思いとは裏腹に一切が不明だった。マルコはジェノバの移民の街・ボーカへ行ってみる事にする。酒場の人たちはメレッリを知っており、やはりバイアブランカへ行ったらしいという。しかしそこは、馬車で２０日もかかるところなのだ。一方、ペッピーノ一座を見たという話を聞き付け、マルコは公園や市場を捜し回る。そして、疲れて公園のベンチでマルコが眠っていたその時……。

イタリアからアルゼンチンにわたり、貧しい人々のための診療所を開く父。マルコは母と暮らしていたが、母もまた父を助けるべくマルコを残し旅立つ。そして9歳のマルコは、母を訪ねる旅に出る。(CDジャーナル　データベースより)