基本情報
内容詳細
本書では、儒教思想は母性力に依拠して構築されるとするこれまでの著者の認識を、「二十四孝」の説話資料を用いて、ことに母と子に関する特異な接合のかたちに注目し、孝教導における母性力の独特の影響の様相を前著と異なる角度から解析した。すなわち、具体的には、孝子説話類でしばしば重要テーマとされる母子の一体観念の真意を考察することから孝の本質を究明し、このような母子の密接な対応関係が、この社会で特徴的な嫁姑の対応へと必然的に連関していく思想の機構について伝記資料を分析しつつ解明している。なお、…今のわれわれと母性力・儒教主義との関わりや現代においてこの思想をあらためて考察しなおすことの意義についてもふれている。
目次 : 序章(これまでの考察の確認と諸問題への展望/ 儒教社会男女の対応・関係のかたち―母と子、妻と夫、娘と父 ほか)/ 第1章 「二十四孝」の成立と展開(「二十四孝」の伝記説話をどう受け止めるか/ 「二十四孝」説話を概観する ほか)/ 第2章 「二十四孝」における母子一体観念の検討(視点の整理/ 曾子説話における母子一体観念の形成 ほか)/ 第3章 儒教家族制における母と子から嫁と姑の関係への視点―近世・近代日本における女性教導理念への流れを確認する(この章への視点/ 嫁による舅姑奉養の面から ほか)/ おわりに 「教育勅語」から「教育基本法」へ―母性依存の教育的・社会的意義の終焉(問題の所在/ 「教育勅語」について ほか)
【著者紹介】
下見隆雄 : 1937年広島県生まれ。広島国際学院大学教授、広島大学名誉教授文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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人物・団体紹介
下見隆雄
1937年、広島県生まれ。広島大学大学院修了。広島大学名誉教授、博士(文学)。専攻、中国古代中世思想史、日本・中国女性史・女性学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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