アルツハイマー征服

下山進

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784041091616
ISBN 10 : 4041091616
フォーマット
出版社
発行年月
2021年01月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
下山進 ,  
追加情報
:
330p;20

内容詳細

50パーセントの確率で遺伝し、その遺伝子変異を受け継げば、100パーセント発症する。しかもその発症は若年。アルツハイマー病の解明は、この家族性アルツハイマー病の家系の人々の苦しみの上に築かれた。遺伝子の特定からトランスジェニック・マウスの開発。ワクチン療法から抗体薬へ―。名声に囚われた科学者の捏造事件。治験に失敗した巨大製薬会社の破綻。治療薬開発に参加した女性研究者の発症とその苦悩。そして家族性アルツハイマー病を患った母の人生を語った女性の勇気。幾多のドラマで綴る、治療法解明までの人類の長い道。

目次 : まきがくる/ 二人のパイオニア/ セレンディピティー/ アルツハイマー病遺伝子を探せ/ 捏造の科学者/ アルツハイマー病遺伝子の発見/ 有意差を得ず/ ハツカネズミはアルツハイマー病の夢を見るか?/ アリセプト誕生/ ワクチン療法の発見/ AN1792/ ラエ・リン・バークの発症/ 特許の崖/ 不思議な副作用/ バピネツマブ崩れ/ アミロイド・カスケード・セオリーへの疑問/ 老人斑ができないアルツハイマー病/ 発症の前を探る/ アデュカヌマブの発見/ 崖を落ちる/ さらばデール・シェンク/ 遺伝性アルツハイマー病の治験/ 私にお手伝いできることはありませんか/ 中間解析/ 勇気あるスピーチ/ 今は希望がある

【著者紹介】
下山進 : ノンフィクション作家。アルツハイマー病の研究の歴史について、2000年代から興味を持つ。日・米・欧の主要人物に取材し、研究者、医者、製薬会社そして患者とその家族のドラマを積み上げる形で、本書をものした。1993年コロンビア大学ジャーナリズム・スクール国際報道上級課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ろくせい@やまもとかねよし さん

    脳が萎縮するアルツハイマー病。1906年、学会でその症例を発表したアロイヌ・アルツハイマーを称し、60年代から広く使われた病名だと紹介するところから始めるレポート。97年アリセプトを発売したエーザイと発売間近アディカスマブの開発基盤を担ったアセナ・ニューロサイエンスを中心に製薬開発過程を紹介。製薬開発に関わるアルツハイマー病の分子作用解明と原因遺伝子発見、そして製薬開発の要となるモデルマウス開発。治験で直面する予想外な現実の一方協力する人たち。それらを包含する経済的な競争の現実。機微な人間模様も描写する。

  • 修一朗 さん

    FDAのアデュカヌマブの審査発表は6/7だ。エーザイ社長は覚悟をもって待つという。発表を待たずに本を発刊したのは大人の事情だろう。ざっくり言うとアリセプトとアデュカヌマブというアルツハイマー薬の創薬のお話。家族性アルツハイマーの一族が治験に貢献した話だったり,エーザイが勝負をかけて脳とガンに特化していく話など,とてもスリリングだ。カスケードセオリーについてもだいぶ理解できた。認知症の治験には莫大な時間とお金がかかる。創薬の難しさも理解できた。滅法面白かった。ちょっと前に読んだどこぞの認知症の本とは大違い。

  • アキ さん

    アルツハイマー病の研究者たちの物語。一生をかけても夢破れ、または次の世代にバトンを渡し、そしてコロナ禍の現在も連綿と連なっている。はじまりは1981年のボストン。ハーバード大のデニス・セルコ―と東京大学の井原康夫。その後エーザイでアセチルコリン仮設に基づいたアリセプトの世界的な成功。研究のデータ捏造やアルツハイマー病遺伝子発見、アミロイド・カスケード・セラピーからワクチン療法、ベイエリアでの医療系ベンチャー企業でのモノクローナル抗体、エーザイの新薬。征服へ向け「今は希望があります」田崎博一の言葉が力強い。

  • どんぐり さん

    米バイオジェンとエーザイが共同開発した「アデュカヌマブ」が米食品医薬品局(FDA)で承認された。アルツハイマー病の新薬開発はコストをかけてもほんど承認取得に至らず、大手製薬会社が撤退しているなかで、これが認知症治療のブレークスルーとなるのかとても興味深い。本書は、アルツハイマー病の正体をつきとめ、その治療法を探そうと戦ってきた研究者、医師、製薬会社、そして患者・家族たちを記録している。久々の骨太のサイエンスノンフィクションである。→

  • 夜長月🌙@新潮部 さん

    アルツハイマー病を征服しようとした人、そしてしようとしている人たちのノンフィクションです。結論から言うとまだ道半ばです。対症療法としてはアリセプトがありますが求められるのは原因療法です。病因となるアミロイドβを除去する薬は見つかりましたが症状は改善しません。発病の20年前に始まっている変異を食い止められるにはモノクローナル抗体でしょうか、遺伝子操作でしょうか。大注目を浴びた抗体療法はアメリカでも日本でも承認されましたが新型コロナワクチンの抗体のようには効かなかったのです。

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