杜甫全詩訳注 3 講談社学術文庫

下定雅弘

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784062923354
ISBN 10 : 4062923351
フォーマット
出版社
発行年月
2016年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
672p;15

内容詳細

没落名家に生まれ、しかし一族の誇りを背負い、流浪と困窮を生きた「詩聖」。中唐期の白居易や韓愈、北宋の王安石、また蘇軾、黄庭堅らに中国第一の詩人と讃えられた律詩の大成者は、詩によって世界を変えうると信じた―。本巻は、蜀中の後期から三峡の入り口・〓(き)州で病身を養う時期にかけて詠んだ、作品世界が研ぎ澄まされてゆく名品の数々を収録。

目次 : 董卿嘉栄に寄す十韻/ 立秋に雨り院中に作有り/ 厳鄭公の軍城早秋に和し奉る/ 院中の晩晴れて西郭の茅舎を懐う/ 府に宿す/ 村に到る/ 村雨/ 独坐/ 倦夜/ 鄭公に陪して秋晩の北地に臨眺す〔ほか〕

【著者紹介】
下定雅弘 : 1947年生まれ。京都大学文学部卒業、同大学大学院博士課程単位取得。博士(文学)。岡山大学名誉教授。専門は六朝・唐代詩

松原朗 : 1955年生まれ。早稲田大学文学部卒業、同大学大学院博士課程単位取得。博士(文学)。専修大学文学部教授。専門は唐代詩、杜甫(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ロビン さん

    第三巻は、蜀・成都にて厳武の幕下で働いていた頃から、約二年滞在したキ州で喘息、中気、熱病、糖尿病などに見舞われた病気の身を養う時期までの作品が収められている。五十九歳で亡くなる杜甫も五十代半ばを迎え、かつての宮廷仕えの生活を思い起こし玄宗皇帝を偲んだり、友人知人の逝去を悼む詩を作ることが多くなった。その一方で憂国の志はなお盛んであり、異民族の侵入に対する憤りや苦しむ民に対する同苦の念も変わることなく詠われる。雨や月を詠んだものや、雁や鶏、鸚鵡、猿など小動物を扱ったものも相変わらず多い。

  • 鏡裕之 さん

    杜甫は、一度長安にて皇帝(粛宗)に仕えている。すぐ左遷の身となってしまったが、皇帝をお助けしたいという気持ちは終始変わらなかった。その気持ちが杜甫に嘆きの詩を書かせ、吐蕃との戦や官軍について意識を向けさせ、官軍や吐蕃についての詩を書かせたのだろう。皇帝を輔弼したいという気持ちは、死ぬまで杜甫の胸から消えなかったようだ。

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