貨幣の条件 タカラガイの文明史 筑摩選書

上田信

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784480016348
ISBN 10 : 4480016341
フォーマット
出版社
発行年月
2016年02月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
384p;19

内容詳細

ヒトを翻弄する貨幣。あるモノが貨幣たりうる条件とは何か。それを考察するのに恰好の対象がある。タカラガイだ。呪物・護府・威信財・装身具や遊具と用途を変える貝は、なぜ貨幣にもなり得たのか。新石器時代から現代までの「時間」。大興安嶺の山麓からアフリカ大陸まで環のように経巡ってきた「空間」。史料の渉猟と雲南やチベットなどの踏査をもとに、時と場の両面から貨幣成立の謎や貝を取り巻くヒトと社会の諸相に迫る。

目次 : 知的冒険のはじまり/ 第1部 時をたどる旅(文明黎明期/ 雲南の諸王国/ モンゴル帝国下の雲南/ 明朝と琉球王国/ タカラガイ通貨の崩壊/ タカラガイの経済理論)/ 第2部 場をめぐる旅(ムアンと呼ばれる小宇宙―タイ系民族の世界/ 棲み分ける諸文化―雲南山地の世界/ ダライラマが観た歌舞劇―ラサの祭り/ 神々の舞う大地―アムド=チベット族の世界/ シャーマンが身につけるタカラガイ―大興安嶺のふもとにて/ 人類にとってタカラガイとは何か)

【著者紹介】
上田信 : 1957年東京都生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。現在、立教大学文学部教授。専攻は中国社会史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • クサバナリスト さん

    タカラガイという貝貨。貨幣の『貨』の字に『貝』が何故あるのか今まで考えたこともなかった。途中、著者の旅の話(フィールドワーク)が続き、少し読むのが嫌になってきたが、最後に奴隷貿易との繋がりが語られ、タカラガイが世界の貿易の一部を担っていたことに驚いた。

  • さとうしん さん

    中国のタカラガイ貝貨というと殷代のそれが思い浮かぶが、本書が主に取り扱っているのは、雲南で唐代あたりから明末清初のあたりまで用いられた貝貨。タカラガイの民俗に関連して、著者によるフィールドワークの成果の紹介など、とりとめのない話が割と続く。著者自身はそれを柳田国男の影響とするものの、系譜としてはフレイザーの『金枝篇』からの流れと位置づけた方がよいかもしれない。

  • Hiroki Hatano さん

    交易から文明が生まれる。動物は生息する生態環境の拘束されるが、ヒトだけが異なる生態環境からモノを移転して生態環境を自らの好むように改変した。本書はタカラガイを切り口にして、タカラガイが貨幣として利用されるようになってから淘汰されるまでの時間の流れと、生息域から離れるに従い、タカラガイが遊具、飾り、呪術の道具、貨幣へと価値の階梯を上げていく場の流れを追うことで、貨幣の本質にせまる。貨幣を発明したヒト、翻弄されるヒトに興味が尽きなく、楽しく読めた。面白いね。

  • in medio tutissimus ibis. さん

    貨幣の条件とは均一性、希少性、持続性である、という結論には大して意外性はなく、どちらかというとそのために著者が調べたり体験した雲南の歴史だの東南アジアの民族の祭りだのを本筋とか関係なく丸ごとお出ししてくるのが読みどころである。学術っぽい顔をしているが完全に趣味の本なのではないか、と疑うが一応著者には著者なりの哲学があってこうなったらしい。それでも割と散漫に各地のタカラガイ風俗を紹介する第二部よりは、東南中国史の趣のある第一部の方がタカラガイを通じた政治経済を感じられて面白く読めた。希少すぎても貨幣には失格

  • もるーのれ さん

    東洋史を軸に、タカラガイの利用状況が通史的に紹介されており、貨幣としての利用形態は興味深い。特に中国・雲南省などでは、近世まで貨幣として通用していたというから驚きである。しかもタカラガイの中でもハナビラダカラのような小型種が選好されるのが面白い。考古学の世界では、縄文文化でのタカラガイの装身具などがあるが、異なる地域ではまた別の使い道があるものだなぁ。

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人物・団体紹介

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上田信

1949年青森県生まれ。1963年に小松崎茂の最後の内弟子として5年間を過ごし1966年に月刊「少年ブック」でデビュー。MGC宣伝部を経てイラストレーターとして独立する。雑誌や単行本、子供向けキャラクターなど作風は多岐に渡り、1/35MMシリーズ(タミヤ)やガンダムシリーズのプラモデル(バンダイ)な

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