サハラに死す 上温湯隆の一生 ヤマケイ文庫

上温湯隆

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784635047500
ISBN 10 : 4635047504
フォーマット
出版社
発行年月
2013年01月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
298p;15

内容詳細

サハラ砂漠は東西7000キロ、横断するルートはなく、途切れ途切れにあるオアシスを点と点で結ぶしかない。この前人未踏の単独横断に、上温湯隆は一頭のラクダとともに挑み、しかし、志半ばで消息を絶ってしまう。サハラ砂漠に青春のすべてを賭けたひとりの青年の、その想いを描いた不朽の名作である。

目次 : サハラが俺を呼んでいる(サハラ砂漠が呼ぶ/ アフリカ第一歩/ ヌアクショットへ急げ/ わが友、サーハビー)/ サハラ横断への挑戦(サーハビー、さあ、出発だ!/ 水はあと一滴しかない/ なぜ、旅を?/ “幻の都”トンブクツーへ着いた!/ 孤立無援、もう一銭もない/ 灼熱地獄、死の前進/ サーハビーが死んだ!)/ 挫折そして再起へ(旅は終わりだ、傷心と絶望の涙が…/ 俺は本当にサハラに敗れたのか/ ラゴスの苦悩、再起の日々/ お母さん、長生きしてください)/ 死への旅立ち(俺は命あるかぎり、お前に挑む!/ サハラ砂漠に燃えつきた愛と死)

【著者紹介】
上温湯隆 : 1952年11月29日生まれ。都立町田工業高校を1年で中退。1970年1月31日から72年4月25日まで、アジア、中近東、ヨーロッパ、アフリカなど五十余カ国をヒッチハイクで旅する。その際、サハラ砂漠を3回にわたって縦断。サハラ砂漠への思いがやみがたく、翌73年1月25日、モーリタニアの首都ヌアクショットを出発、1頭のラクダのみを連れ、ガイドなしで7000キロの単独横断に挑戦。しかし翌年、メナカよりの手紙を最後に消息を絶ってしまう。享年22

長尾三郎 : 1938年、福島県生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科中退。在学中から著述業に入り、政治、社会問題、スポーツなど幅広いジャンルで活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • まるほ さん

    1979年、22歳の若者がラクダ一頭とともに、単独でサハラ砂漠の“横断”を試みる冒険に出発する。サハラ砂漠を縦断するルートは何本かあるが、横断するルートはなく、いまだ単独で横断した者はいないという。この若き冒険者「上温湯隆」の日記を中心にまとめられた旅行記。▼著者は旅半ばでラクダを失い、結局渇死する。著者は、超人的な能力があるわけではない、等身大の普通の若者に過ぎない。うまくコメントすることができないが、彼を単純に批判的に評する気持ちにはなれなかった。冒頭の4ページの写真は、なんとも言えない印象を残す。

  • gtn さん

    サハラ砂漠をラクダと共に横断するという前人未到の夢が押さえられなかった著者。途上、遭遇する現地人の親切と狡猾。友でもあったラクダも、道半ばで倒れる。だが、友が死んだ地点から、新たなラクダと旅を再開する。「来世を僕は信じない」と著者。だが、人間に無宗教はありえない。彼は"母親信者"だったのでは。母は、三島由紀夫の最期を例に、いざとなれば潔くと息子に語っていたとか。その教えどおり、潔く逝った。

  • かごむし さん

    上温湯隆の「サハラに死す」は、若き冒険家がサハラ砂漠をラクダで単独横断する冒険記である。著者はヌアクショットからポート・スーダンまでの7000キロを旅する。本書は彼の日記やメモを基に構成され、1975年に出版された。著者の無謀な冒険は読者に危うさを感じさせるが、その言葉は胸を打つ。リスク管理が徹底した社会に生きる僕らに、命をかけた冒険の価値を問いかける内容である。タイトルにある通り、著者は砂漠で「渇きと飢えの犠牲」となり、若い命を散らした。彼は最期に何を想ったであろうか。

  • 活字スキー さん

    【誰にでもあるだろう。自由に思いっ切り、持っている力を発散させ、何ものにも縛られない自分となろうとする気持ちが。そのために僕はサハラへ来た】クラカワー『荒野へ』と並ぶ、若き冒険心の鮮やかにして無残なる爪跡。自らの人生を悔いなく生きるために敢えて危険に身を投げ出さざるを得なかった若者。『荒野へ』に比べると作家目線を排した本人の飾らない無邪気さがより一層生々しく、それだけにその末路がより痛わしいと同時に眩しく感じられた。全ては偉大なるサハラの風と砂の中に流れゆくとも。

  • 和草(にこぐさ) さん

    読了後、何とも言えない気持ちです。今より通信機器が発達していない1970年代にサハラ砂漠を東西ラクダで挑んだ人がいたなんて!角幡さんの解説が同じ冒険家としての目線で書かれてあります。今のこの世の中、私を含めここまで自己と社会世の中と向き合える人はどれだけいるのだろうか。

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