CD

昭和の名人 古典落語名演集 三代目三遊亭小圓朝 一::転宅/かつぎや/山岡角兵衛

三遊亭小圓朝 (三代目)

基本情報

カタログNo
:
KICH2598
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
日本
フォーマット
:
CD

収録曲   

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3代目三遊亭小圓朝(1892〜1973)は江戸落...

投稿日:2015/05/25 (月)

3代目三遊亭小圓朝(1892〜1973)は江戸落語の保守本流とも言うべき噺家であった。父親兼師匠の2代目小圓朝はかの伝説の巨匠「大圓朝」こと三遊亭圓朝一門の高弟で一時は三遊派の頭取も任された実力者だった。息子の3代目小圓朝も子供時分から落語の世界に入り、晩年の「大圓朝」にもかわいがられたという。さらに4代目橘家圓蔵や4代目橘家圓喬、3代目柳家小さんといった名人たちからの薫陶も受け、1927年父の名跡を受け継いだ。毛並み、経歴からいえばまさにサラブレッドであり、売れてしかるべき噺家であった。 しかし3代目小圓朝は売れなかった。同世代の桂文楽、古今亭志ん生、三遊亭金馬、林家正蔵(彦六)、三遊亭圓歌らが次々と売れていき、下の世代の三遊 亭圓生、春風亭柳橋、桂三木助、5代目柳家小さんにも抜かされ、晩年になっても寄席では浅い出番のままであった。やがて病に倒れて現役を引退、消えるようにこの世を去った。今ではほぼ忘れさられた存在となっている。私は落語の録音を聴くのが好きでいろんな噺家の録音、録画を視聴してきたが、小圓朝の録音を聴いたのはこのCDが初めてであった。 江戸落語の保守本流を受け継いだ噺家らしく、小粋で洗練された、小ざっぱりとした江戸前の芸である。歯切れのよい口調で本寸法の江戸ことばをしゃべ り、リズムも軽快である。端整な楷書の芸風でとても聴きやすい。ただ、上記の売れた人たちと比べると「これぞ小圓朝」とも言うべき強烈な個性、特徴に欠ける感は否めない。淡々としすぎていて、もう一押しすればもっと受けるのにというところでも押さずに流してしまう。昔の江戸落語界ではやたらに客を爆笑させるのは下品で、一つの噺で2、3回クスッと笑わせるぐらいで良いとされていた。小圓朝はその教えを忠実に守り、自分でもそのように言っていたそうだ。時流に合わなかったということだろう。昔ながらの伝統を固守し基礎がしっかりしていて変なクセがないため、落語の教科書としてはうってつけである。小圓朝は優れた稽古台(お稽古の先生)であり、若手の噺家や大学の落研部員たちに稽古をつけることを好んだ。特に東大の落研の指導には熱心に取り組んでいたという。このCDも落研の学生の教科書としては十分におすすめできる。

金山寺味噌 さん | 愛知県 | 不明

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