天国旅行 新潮文庫

三浦しをん

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784101167626
ISBN 10 : 4101167621
フォーマット
出版社
発行年月
2013年07月
日本
追加情報
:
320p;16

内容詳細

現実に絶望し、道閉ざされたとき、人はどこを目指すのだろうか。すべてを捨てて行き着く果てに、救いはあるのだろうか。富士の樹海で出会った男の導き、命懸けで結ばれた相手へしたためた遺言、前世の縁を信じる女が囚われた黒い夢、一家心中で生き残った男の決意―。出口のない日々に閉じ込められた想いが、生と死の狭間で溶け出していく。すべての心に希望が灯る傑作短編集。

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ヴェネツィア さん

    死を物語の核に据えた短篇が7つ。三浦しをんの短篇は初めてだが、この人はじっくりと構想を積み上げて行く長編の方が、より本領を発揮できそうに思う。けっして短編が良くないという意味ではないのだけれど。ただ、ここにあるいずれの短篇も、何かを積み残したかのようなものが残ることも確かである。それ故にか、なんとなく終わったという感もまた拭えない。すなわち、読後に強い余韻が襲って来ないということが不満なのかもしれない。あるいは、それはそれぞれの作品の主題の構成が理詰めに過ぎるのでもあるだろうか。

  • HIRO1970 さん

    ⭐️⭐️⭐️しをんさんの死にまつわる話の短編集でした。題材が題材なだけに慎重に軽々しく扱っておらず、かといって堅苦しさは全く感じさせずに非常に広範で複雑な題材を一話づつ全く違う形に仕上げて読ませてしまう著者の力量に何度も思わず唸りたくなりました。固定観念を取り払う訓練を相当しないとこれだけの柔軟で豊かな発想は出来ないだろうとひしひしと感じられました。しをんさんの本はまだ既読わずか3冊ですが、今後益々ハマりそうな予感がしてきました。これは著者の力量の凄さがハッキリと感じられる作品でした。

  • Atsushi さん

    人の「死」をテーマにした七話からなる短編集。テーマは重いが、読後感は充実していた。お気入りの作品は、二人の夫を愛して逝ってしまった「ウメおばあさん」を描いた「初盆の客」。駒子と夏生、人と人の縁なんてどこに転がっているのか分からないものだ。思わずニヤリとさせられてしまった。「遺言」も同じ男性として頷けることが多かった。

  • 射手座の天使あきちゃん さん

    変人キャラ満載のユーモア小説家「しをん」さんでもオヤジキャラ満載のエッセイスト「しをん」さんでもありませんでした(笑) ひたすらネクラで不気味な短編作家「しをん」さんでしたよ、まあテーマが【心中(死)】だから無理もないですけどね <(^_^;  あっ、でも「新盆の客」は爽やかな感じで好きかな!

  • ミカママ さん

    タイトルからもっと救いのある物語だと思って読み始めたのに・・・「心中」周辺の短編集でした。それもあって、読了に時間がかかってしまった。どれも救われないなぁ、もう読むのやめようかなぁ、と思った中ごろに出会った「君は夜」はかなり好きだった。時代物とリンクさせた恋愛物語。救われなさには変わりないんだけれども。角田光代さんの解説、かなり好きでした。これだけでも一遍になる。

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人物・団体紹介

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三浦しをん

1976年東京都生まれ。2000年、長編小説『格闘する者に○』でデビュー。2006年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞、2012年『舟を編む』で本屋大賞、2015年『あの家に暮らす四人の女』で織田作之助賞、『ののはな通信』で2018年島清恋愛文学賞、2019年河合隼雄物語賞を受賞。2019年『愛なき世

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