午後の曳航 新潮文庫

三島由紀夫

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784101050461
ISBN 10 : 4101050465
フォーマット
出版社
発行年月
2020年10月
日本
追加情報
:
224p;16

内容詳細

十三歳の登は自室の抽斗奥に小さな穴を発見した。穴から覗く隣室の母の姿は艶めかしい。晩夏には、母が航海士の竜二とまぐわう姿を目撃する。竜二の、死すら厭わぬ船乗り精神と屈強な肉体に憧れる登にとって、彼が海を捨て母を選び、登の父となる生ぬるい未来は屈辱だった。彼を英雄に戻すため、登は仲間と悪魔的計画を立てる。大人社会の綻びを突く衝撃の長編。横浜港で船員らに取材し一気に書き上げた。38歳の三島が子供世代の目で描く大人の虚妄。

【著者紹介】
三島由紀夫 : 1925‐1970。東京生れ。本名、平岡公威。1947(昭和22)年東大法学部を卒業後、大蔵省に勤務するも9ヶ月で退職、執筆生活に入る。’49年、最初の書き下ろし長編『仮面の告白』を刊行、作家としての地位を確立。主な著書に、’54年『潮騒』(新潮社文学賞)、’56年『金閣寺』(読売文学賞)、’65年『サド侯爵夫人』(芸術祭賞)等。’70年11月25日、『豊饒の海』第四巻「天人五衰」の最終回原稿を書き上げた後、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。ミシマ文学は諸外国語に翻訳され、全世界で愛読される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • けぴ さん

    新版なので文字が大きく読みやすい。父を亡くし母と二人暮らしの登は中学生。船乗りの竜二と良い仲になる母。二人の夜の生活を隙間から覗きこむ登。谷崎潤一郎っぽい変態さを感じながら物語は進行。やがて竜二と再婚を決意する母。ある時、夜の生活を登が覗いていることに気付く。母と竜二に叱られる登。罰を与えるとして登と中学生の仲間は竜二を誘い出し、毒入り紅茶を飲ませるところで幕が閉じられる。中編ながら読み応えあるストーリーでした!

  • NICKNAME さん

    思ったより短く他の作品群と比べ内容的にも薄く感じられる作品であった。想像していたエンディングと全く違い何だかあっけない終わり方である。ただその締め括りの最後の一文が三島作品で奔馬の最後を彷彿させる。結局強く引き込まれないまま、短い作品であるのに結構ダラダラ読んでしまった。三島にもこういう作品があるというのがある意味新鮮ではある。

  • しんすけ さん

    三島由紀夫最晩年の作品と云って良い。 この後に白鳥の歌として『豊饒の海』シリーズを残すが、『午後の曳航』ほどの香ばしさは失せていた。 十三歳の登という少年は主役のようだが、狂言回しにしか観えないことが時折ある。この少年が覗き見る母の姿が艶めかしいからだろう。 本書の初読時、ぼくは十七歳だったはず。その時は登の母の美しさを創造し、その創造に陶酔しながら読んでいた。 そしてぼくの耳もとで、ひばりの「港町十三番地」が聞こえていたような気もする。

  • hoiminsakura さん

    妥協のない張り詰めた緊張の中に生き完璧な未来を望む少年は、海を愛し船に憧れ一人の航海士に英雄をみた。母とふたりで輝くような船出を見送ったが、航海から戻った船員に対する感情が変化しやがて……。軽い気持ちで読み始めたが中身はむしろ金閣寺に近いものがあり、最後はドキドキした。余韻を残す終わり方は各人の想像に任される。恐らく犯罪は成されるのであろう。

  • しおり さん

    都会の、早熟した、賢い少年達。危なっかしい組み合わせだと思う。守られていて活力と時間はあるけど責任はない頃だったら大人たちが平穏な日常に収斂していく様に怒りを感じるかもしれない。竜二は船乗りで、陸の生活を疎んでいた。自分専用の人生が、海の生涯があると信じていた。登にとって彼が大人の堕落から離れた存在に見えたのも無理はない。でもやっぱ、歳を取ると角は摩耗して丸くなってしまう。竜二が女性と出会い、急速に陸に染まっていくのは残念だけど強い納得感がある。命に対するシニシズムなくして冷たい心の海は維持できないのかも

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人物・団体紹介

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三島由紀夫

1925年、東京生まれ。本名、平岡公威(きみたけ)。16歳で「花ざかり」を発表し、天稟を注目される。1947年東大法学部を卒業後、大蔵省に勤務した後、執筆生活に入る。1949年、『仮面の告白』を刊行、作家としての地位を確立。主な著書に、1954年『潮騒』(新潮社文学賞)、1956年『金閣寺』(読売文

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