ジャン・クリストフ 4 岩波文庫 改版

ロマン・ローラン

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784003255544
ISBN 10 : 4003255542
フォーマット
出版社
発行年月
1986年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
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追加情報
:
15cm,517p

ユーザーレビュー

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読書メーターレビュー

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  • syaori さん

    作者は何と歪で何と美しいものを打ち立てたことでしょう。この激しい魂の一代記を通して語られるのは生きること、自己を押し広げ革新し生きること。そして人は自身の仕事を完成せぬままに道半ばで果てるだろうということ。しかし、作者は物語を通しその空虚に見える人生という艱難が何なのかを示し、読者たちにクリストフの「身体を踏み台となして前方へ進めよ」、善も悪も全ての生は肯定されるのだ、だから自身の生を力の限り生きよ、そして彼よりも偉大で幸福であれよと力強く呼びかけ願っていて、その理想の大きさと愛とにとても圧倒されました。

  • ベイス さん

    4か月かけて読了。クリストフという心の友を失ったような喪失感もある。クライマックスは個人的には友オリヴィエの死と、絶望の淵に沈む中で出会った友ブラウンの妻アンナとの運命的な接近と別れ。ここまでであった。クリストフの最後の伴侶となるグラチアは、たしかに陰ながら彼に手を差し伸べる役を果たしてはいるが印象としては弱く、そんな彼女に心酔し全面的に愛を打ち明けるクリストフの晩年の言動は、やや腑に落ちない。それでも、彼女との心の交流は胸に迫るものがあり、彼女の死を伝えられたときの彼の態度は崇高でこの上もなく美しい。

  • のっち♬ さん

    苦悶と残忍の無限総和の上に佇む人生、その悪徳と美徳、悲哀、高慢、努力、憂苦を著者は隠すことなく描く。生き、創造し、愛し、失いつつも「我々の体を踏み台となして、前方へ進めよ。われわれよりも、さらに偉大でさらに幸福であれよ」「俺が滅びて俺の作品が存続することだ!それが俺には一挙両得なのだ。なぜならば、もっともほんとうのものだけが、俺から残ることになるのだから。クリストフは死滅するがよい!」これぞ勝つことだ。「いかなる日もクリストフの顔を眺めよ、その日汝は悪しき死を死せざるべし」さぁ勝つために生きよう、進もう!

  • みつ さん

    最終巻はこの書の熱気をまともに受け、一気に読む。五月一日(メーデー?)の喧騒の中でオリヴィエを失い、逃亡先での人妻アンナとの身を焦がす恋に陥るクリストフ。そこからの運命の急変の後未亡人となったグラチアとの互いを思いやる愛情描写が美しい。その愛も結局成就することはないが、愛した人の子供達にも愛を注ぎ、あれほど周囲と衝突していた彼が、生涯の終わりに及んで、(一人ぽっちのときも含め)かつて孤独なことがなかったという場面で、彼の人生全体が肯定される。一番最後の「小児」の言葉は冒頭に立ち戻るようで感懐深い。➡️

  • km さん

    教養小説の傑作。これに感激できない人は、無意識に自分の人生を生きている天才か、ゲーテの尨犬でしょう。ロマン・ロランは、技巧においてはプルースト等に及ばないかもしれない、しかしこの作家の力は魂自体の驚くべき清冽さにこそある。その飽くことなき理想追求の姿勢にある。ジャン・クリストフを生涯の友として、彼から力を得て戦う一人となれたことを嬉しく思う。

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