ロジーナ・ハリソン

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おだまり、ローズ 子爵夫人付きメイドの回想

ロジーナ・ハリソン

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784560083819
ISBN 10 : 4560083819
フォーマット
出版社
発行年月
2014年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
364p;20

内容詳細

大富豪のアスター子爵夫人は才色兼備な社交界の花形で英国初の女性下院議員、おまけにとってもエキセントリック! 型破りな貴婦人に仕えた型破りなメイドの、笑いと涙の35年間。

お持ちの装身具のなかでもとくに貴重な品は、どれも実際に身につけようとすると高くつきました。銀行から持ちだされた瞬間から銀行に戻されるまでのあいだ、余分に保険料がかかるからです。もっとも奥様はそんなことはどこ吹く風。高価な装身具をつけるのが大好きで、わたしの好みから言うと、たくさんつけすぎることもしょっちゅうでした。くるりと向き直って「どうかしら、ローズ?」とおっしゃる奥様に、わたしは「おや、それっぽっちでよろしいんですか、奥様?」と応じ、毎度おなじみの「おだまり、ローズ!」のひとことをちょうだいしたものです。(本文より)

「古き良きイギリス」最後の時代のお屋敷
著者は1899年生まれ。庶民の若い女性の常で、学校を卒業後はメイド奉公に出ることになるが、当時の庶民には不可能ともいえる、旅行がしてみたいという夢をいだいていた。娘の賢さを知る母親は、メイドとしては格上の「お屋敷の女主人付きメイド」になれば、お供をして旅行ができると教える。ローズは「女主人付き」の下位ポストである「令嬢付き」メイドとしてキャリアをスタートし、キャリアアップの結果アスター家へやってくる。
ナンシー・アスター(夫はアメリカの大富豪アスター一族出身でプリマス市長)は才色兼備な社交界の花形。イギリス初の女性下院議員になり、内外の王族・文人・政治家と交流が深い一方、エキセントリックな性格でメイドが居つかない女主人であった。ローズは雇用主にも臆せず物を言う性格を気に入られ、子爵夫人が亡くなるまで35年間も生活を共にする。そして、雇い主と使用人を超えた特別な信頼関係のなか、第二次大戦中の大空襲や政界を揺るがしたソ連のスパイ事件など、お屋敷のピンチを切り抜けていく。
映画のようにドラマチックで、笑いと感動が満載。イギリスの使用人もの回想録の決定版、ついに邦訳!
 [目次]
アスター家の使用人 1928
はじめに
 1 子供時代
 2 いざお屋敷奉公に
 3 アスター家との出会い
 4 レディ・アスターとわたしの仕事
 5 わたしが仕事になじむまで
 6 おもてなしは盛大に
 7 アスター家の人々
 8 戦時中の一家族
 9 叶えられた念願
 10 宗教と政治
 11 最後の数年間
解説 カントリー・ハウスの盛衰が生んだドラマ 新井潤美
訳者あとがき

 [原題]Rose: My Life in Service

プロフィール: ロジーナ・ハリソン Rosina Harrison
1899年イギリス、ヨークシャーに、石工の父と洗濯メイドの母の長女として生まれる。1918年、18歳でお屋敷の令嬢付きメイドとしてキャリアをスタート、1928年にアスター子爵家の令嬢付きメイドとなり、同年、子爵夫人ナンシー・アスター付きメイドに昇格する。以後35年にわたってアスター家に仕えた。1975年に本書を刊行、1989年没。

プロフィール: 監修者:新井 潤美(あらい めぐみ)
上智大学文学部英文学科教授。著訳書は『階級にとりつかれた人びと──英国ミドル・クラスの生活と意見』(中公新書)、『不機嫌なメアリー・ポピンズ──イギリス小説と映画から読む「階級」』(平凡社新書)、『執事とメイドの裏表──イギリス文化における使用人のイメージ』(白水社)ほか。

プロフィール: 訳者:新井 雅代(あらい まさよ)
津田塾大学学芸学部国際関係学科卒。訳書はピクネット『トリノ聖骸布の謎』、ウーリー『オークションこそわが人生』(以上、白水社)ほか。

【著者紹介】
ロジーナ・ハリソン : 1899年イギリス、ヨークシャーに、石工の父と洗濯メイドの母の長女として生まれる。1918年、18歳でお屋敷の令嬢付きメイドとしてキャリアをスタート、1928年にアスター子爵家の令嬢付きメイドとなり、同年、子爵夫人ナンシー付きメイドに昇格する。以後35年にわたってアスター家に仕えた。1975年に『おだまり、ローズ―子爵夫人付きメイドの回想』を刊行、1989年没

新井潤美 : 東京大学大学院博士課程満期退学(比較文学比較文化専攻)上智大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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  • めろんラブ  さん

    英国の子爵夫人と彼女に仕えるメイド。ふたりの35年に及ぶ繋がりを綴った回想録。厳格な階級社会、本来ならばがっちりとした主従関係にあるはずがこのふたり、まるで掛け合い漫才のコンビ。「おだまり、ローズ」は漫才の締めの言葉「いい加減にしなさい」の変形バージョンのよう。立場は違えど聡明さと気の強さは同レベル、バチバチと火花を散らすようなやりとりはスリリングながらユーモアと機知に富む。”バリキャリ”同士の友情物語としても楽しめそう。貴族社会の繁栄と斜陽を背景に、尊敬と信頼に値する相手に巡り会えた幸福が溢れる一冊。

  • mocha さん

    英国で初の女性国会議員、最も有名な女性と言われたレディー・アスター。表紙のたおやかな貴婦人像から想像できない癇癪持ちで気まぐれな彼女を、35年の長きに渡り支えたメイドの回想録。愛と信頼、仕事への誇りが伝わってくる。当時の貴族や裏方である使用人たちの暮らしぶりも興味深い。あくまでも立場をわきまえた上で、奥様をやり込めるメイド。「おだまり、ローズ」と逃げる奥様。隣の部屋で聞き耳を立てて笑っている旦那様も可笑しい。万能執事のリー氏も素敵だ。このお屋敷がモデルとも言われる「日の名残り」に興味が湧いた。

  • 星落秋風五丈原 さん

    P・G・ウッドハウスの人気シリーズ、出来る執事ジ―ヴス&ダメダメお坊ちゃまバ―ティが、リアルな世界で女性バージョンになって現れたような感じと言えなくもないが、へなちょこバ―ティに比べると、345ページの晩年の姿でさえ毅然としている奥様とのやりとりは、緊張感のある毎日であろうと想像できる。もし、ロジ―ナの得意満面の姿が透けて見えたら恐らく読後感は良くなかったはず。素のまま、思うままを平易な文章で綴っているという印象。編集段階で手を入れなかったのは、読者にローズの人柄を知ってもらうためだろう。

  • Koning さん

    期待して読んだのだけれど、それ以上に面白かった。時代はもう20世紀に入ってしまって貴族も執事やメイドといった職業とシステムが完成され最後に輝いた時代を生き抜いたLadyMaidの自伝。女主人たるレディーアスターと面白いぐらいに衝突しまくるとかこの辺は二人の個性が見事にマッチングしたということなのだろうけれど、ある種奇跡的で。それでもお互いを尊敬し合ってるのはよく分かるとか(思い出補正を差っ引いてもすごいと思う)。何よりとんでもなくプロフェッショナル。そして彼ら彼女らが遣える主人たちも現代ではほぼ絶滅種

  • まるる さん

    アスター侯爵夫人に30年以上仕えた、お付きメイドの回顧録。まずタイトルが絶妙!このタイトルだけで、主人と使用人の関係性がうかがえる。恥ずかしながら、アスター侯爵夫人という人を初めて知った。なんとも凄い人だ。いろんな意味で凄い人だ。そんな凄い人に、ただ盲目に使えているわけではなく、物申すこともしばしば。主従関係の中にもお互いを尊重しあい、同志というか運命共同体というか、この主人にしてこのメイドありと、思われていたのではないだろうか。ヘタな小説を読むよりもよっぽどドラマチックで面白かった。

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1899年、イギリス・ヨークシャーに、石工の父と洗濯メイドの母の長女として生まれる。1918年、18歳でお屋敷の令嬢付きメイドとしてキャリアをスタート、1928年にアスター子爵家の令嬢付きメイドとなり、同年、子爵夫人ナンシー・アスター付きメイドに昇格する。以後35年にわたってアスター家に仕えた。19

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