インディアナ、インディアナ

レアード・ハント

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784991285110
ISBN 10 : 4991285119
フォーマット
出版社
発行年月
2023年03月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
256p;20

内容詳細

切れぎれの回想、現在のノアの心理、オーパルからの手紙、ノアの父ヴァージルや母ルービーをめぐる一連の奇妙な逸話…。事実は見えなくても、ノアの胸に満ちる強い喪失感は、一ページ目からはっきり伝わってくる。その静かな哀しみが、ノアと猫たちとのどこかとぼけたやりとりや、ノアの父親ヴァージルのやたらと衒学的な物言いなどから浮かび上がる淡いユーモアと絶妙に混じりあい、それらすべてが、文章教室的規範から逸脱することを恐れない自在の文章で語られることによって、この作品を、昨今の小説には稀な、とても美しい小説にしている。(訳者・柴田元幸)哀しみを抱えるすべての人へ。2006年刊行の「とても美しい小説」を復刊。

【著者紹介】
レアード・ハント : 1968年シンガポール生まれ。少年時代に祖母の住むインディアナの農場に移り、ここでの体験がのち小説執筆の大きなインスピレーションとなる。これまでに長篇九冊を刊行。『ネバーホーム』は2015年フランスで新設された、優れたアメリカ文学仏訳書に与えられるGrand Prix de Litt´erature Am´ericaine第一回受賞作に。最新作Zorrie(2021)は全米図書賞最終候補となる。現在、ブラウン大学教授

柴田元幸 : 1954年東京生まれ。米文学者、翻訳家。『生半可な學者』で講談社エッセイ賞、『アメリカン・ナルシス』(東京大学出版会)でサントリー学芸賞、『メイスン&ディクスン(上・下)』(トマス・ピンチョン著、新潮社)で日本翻訳文化賞、2017年には早稲田大学坪内逍遙大賞を受賞。文芸誌『MONKEY』の責任編集も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • buchipanda3 さん

    心にじわっと染み込んでくる感覚を覚えた。幾つもの断片的な記憶、それらは澄んだ描写だが、何が語られているのか相関すらすぐには分からない。でも文章を追い、語り手の心に寄り添いたくなった。それは自らの感性を認め合う意味とその喪失に藻掻く姿が描かれていたから。後悔、憎悪、愛情、様々なものが入り乱れる感情が、ノアの目を通して浮かび上がる。時計を壊しても、時間が過ぎても、その感情は消えない。でもノアはそれを否定しない。静かな哀しみとして抱える。ただ苦しいだけではなく、故郷の存在が救いとなる。ライラック薫るその場所が。

  • 匙 さん

    あまりにも良かった…。悲しみと寂しさと愛しさいっしょくたにひたひたと溢れそうな読後感。長い長い睦まじい夫婦の愛の物語と思いたい。薄暗い小屋の死んだ虫の翅のあえかな光や誰かの歌声、愛し合う人達の手紙、おかしくて優しいインディアナの人々よ。

  • まこ さん

    物語の後半になって、ポリーナを失ったノアの孤独感と両親の思い出がハッキリわかる。それでも物語を理解できたのは50%。両親のことはどこまで本当かわからない。マックスと猫は本当のことだと思いたいけど、マックス&猫→ノアの一方通行になってる。

  • フランソワーズ さん

    『遠きにありて、ウルは遅れるだろう』に引き続き、ストーリーに、”明確なストーリーに依存しない”作品に行き当たってしまった。ただ主人公ノアがその折々で感じる哀感、喪失感といった情緒を、抵抗なく受け入れられたのが良かった。

  • 文学ラジオ空飛び猫たち さん

    文学ラジオ第134回紹介本https://open.spotify.com/episode/3mEVkEgiJgvdFYUbh9RA2X?si=b736013f700a4f5a 読み始めはどういう話かわからず戸惑った。 ただ文章が非常に美しくて、リズム感が良くて、内容がわからなくても読んでいけた。 中盤から人物相関図が見えてきて、ここから一気に引き込まれて、主人公ノアに感情移入していった。

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