ナチズムに囚われた子どもたち 人種主義が踏みにじった欧州と家族 下

リン・h・ニコラス

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784560096192
ISBN 10 : 4560096198
フォーマット
出版社
発行年月
2018年03月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
462p;20

内容詳細

子どもたちの探索と救出、そして終戦と帰還。純粋な民族に属する身体的に完璧な人々によって支配され、人種的に受け入れ難く、経済的に役に立たない者は排除される―独裁者が実現を図った「理想郷」の恐怖。戦争の脅威とヒトラーの人種主義が子どもたちと家族に課した過酷な処遇を、“全米批評家協会賞”受賞の歴史家が包括的に論じる。

目次 : 第3部 ナチズムの世界化(西欧のゲルマン化)/ 第4部 過激化と抵抗(ユートピアの悪夢―ロシアとギリシア/ 探索と潜伏―匿われる子どもたち/ 働けば自由になれる―強制労働/ 総力戦)/ 第5部 余波(解放と帰還/ 敗者/ わが家にまさるところなし)

【著者紹介】
リン・H・ニコラス : 米国コネティカット州生まれ。大学では歴史(ヨーロッパ近代史)を専攻し、オックスフォード大学から文学士の学位を得る。1994年出版のThe Rape of Europa:The Fate of Europe’s Treasures in the Third Reich and the Second World War(『ヨーロッパの略奪 ナチス・ドイツ占領下における美術品の運命』白水社、2002年)は、ナチ・ドイツによる第二次世界大戦中の美術品略奪と連合国による奪還を扱い、同年の“全米批評家協会賞”を受賞、1999年にフランスのレジオン・ドヌールを授与され、八か国語に翻訳される

若林美佐知 : ウィーン大学博士課程哲学・自然科学部史学専攻修了、哲学博士(Doktorin der Philosophie)。お茶の水女子大学大学院人間文化研究科比較文化学専攻博士課程修了、博士(人文科学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ケイトKATE さん

    『ナチズムに囚われた子どもたち』を読むきっかけになったのは、深緑野分の『ベルリンは晴れているか』で参考文献に挙げられたからである。『ベルリンは晴れているか』では、ナチズムと戦争によって翻弄された子どもたちの悲しみが描かれているが、本書でも戦争によって、子どもたちが過酷な状況に追い込まれ死んでいった様子が描かれ、戦争を生き延びたとしても子どもたちの心には大きな傷が残った。本書は、戦争は常に子どもたちを被害者にさせてしまうことを教えてくれる作品である。

  • chiyo さん

    ★4.0 西欧をゲルマン化しようとするナチの横暴と、ギリシャ人とロシア人への仕打ちが印象的。勿論、ユダヤ人の大量虐殺は酷いを通り越したものだけれど、それが大々的すぎて他の行為が霞んでしまった感がある中、本書では様々な事柄を広く深く掘り下げる。また、悲しい出来事ばかりではなく、例え少人数でも子どもたちを助けようとした人たちの行動も心に残る。と同時に、戦後の非ナチ化が困難であることを思い知る。ミュンヘンの抵抗グループ“白バラ”のショル兄妹、映画「ふたつの名前を持つ少年」のモデルと思われる少年のエピソードも。

  • mashumaro さん

    上巻・下巻ともに読むのが苦しくなる内容でしたが、読んでよかったです。連合国軍が勝利し、解放されてからも引き離されてしまった親子や個人がたどる運命は様々で、戦争の犠牲は生死だけではなく、その悲しみはずっと続いていく。現代でも紛争は絶えず、民族迫害もなくならない。不寛容な争いが起こす結果を歴史から学ぶという意味で、読み継がれなければいけない本だと思います。

  • takao さん

    ☆優生学はユダヤだけでなく、薄弱児も対象だった。何万人の子どもが殺害された。

  • ゆずこまめ さん

    強制収容所だけではないナチスの罪。引き裂かれた家族。ナチスに熱狂し、そして苦しんだドイツの子供達の話も。

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