マーク・フィッシャー

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わが人生の幽霊たち -うつ病、憑在論、失われた未来

マーク・フィッシャー

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784909483188
ISBN 10 : 4909483187
フォーマット
出版社
発行年月
2019年01月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
381p;19

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読書メーターレビュー

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  • しゅん さん

    「新しいものが何もない」という諦念自体はポストモダンの議論で散々語られてきたことで興味深いとは言えないし、著者の自殺を資本主義の終わりが見えないという『資本主義リアリズム』の閉塞感と直線的に結びつけるのにも違和感を覚える。そもそもポップミュージックにおいて新しいと思える表現が次々と生まれてたのが異例の事態かもしれないし。とはいえ、ケアテイカーやベリアルの音楽に幽霊を見出す「憑在論」のアイディアは魅力的だし、ジョイディヴィジョンの音楽の21世紀的な側面についての分析も頷ける。僕にとって居心地の悪い批評家だ。

  • 塩崎ツトム さん

    経済・文化がネットとグローバリズムと新自由主義で完全にフリーズしてしまい、マーク・フィッシャーは自らの命を絶った。古くて雑多で騒がしいデータは津波のように、毎日、我らをイモ洗いにして摩滅させていく。データは劣化しないが、その供物として人間がすり減らされる時代である。やがて人はいなくなり、元データの供給は途絶え、延々とサンプリングとエピゴーネンが繰り返されるだろう。永劫回帰なのか? 本書でJoy Divisionを知り、YouTubeで検索、一通り聞きながらこの文を書いている。英語は相変わらず聞き取れない。

  • なっぢ@断捨離実行中 さん

    ドラムンベース以降、なぜ新しい音楽が生み出されなくなったのか?ゼロ年代初頭のロックンロールリバイバルやピッチフォークなどのネットメディアに後押しされたインディロックに当時から違和感を覚えていた自分にとってはまさしく天啓のような書物だ。

  • トテイク さん

    膨大な情報を発信するサイバースペースに繋がれて、息つく間もない生活。過去のを参照し安定を求める。今に焦点が合わず、健忘症のように生きている。そんな現在を照らしつつ、外部を模索する作品についてのレビュー群。 ブリアルについては特に印象的。クラックルノイズを前面に際立たせオーバーダブやスクリューによる亡霊感。つまりは音楽を作る過程、また過去とのパースペクティブを音楽してしまう試みは過去からの参照を新しい視点から取り組むものであり、今という状況を暴き出す試みが含まれている。ひさびさに聴きたくなる事請け合い。

  • 静かな生活 さん

    REVIEW SCORES 90/100何かいいことが起こりそうな予感はしない ChatGPT: 【成果】 『わが人生の幽霊たち』は喪失のなかに思想を刻むレクイエムである。マーク・フィッシャーは鬱という主観的経験を社会病理として可視化し、「うまくやっているふり」から降りることの倫理を、静かな絶望とともに提示した。 【限界】 しかしその語りはあまりに個的で、幽霊たちは読者の地平に届く前に霧散する危うさをもつ。希望なき構造の提示は、時に変革のヴィジョンを欠き、批評の射程を感傷の輪郭に閉じ込めてしまう。

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人物・団体紹介

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マーク・フィッシャー

1968年生まれ。イギリスの批評家。ウォーリック大学で博士号を取得した後、英国継続教育カレッジ、およびゴールドスミス・カレッジ視覚文化学科で客員研究員・講師を務める。自身のブログ「k‐punk」でカルチャーや音楽を通じて、社会に対して鋭い眼差しを投げかけ、熱狂的な読者を獲得した。2017年1月逝去

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