マーガレット・アトウッド

人物・団体ページへ

獄中シェイクスピア劇団 語りなおしシェイクスピア 1 テンペスト

マーガレット・アトウッド

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087735079
ISBN 10 : 4087735079
フォーマット
出版社
発行年月
2020年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
381p;19

内容詳細

世界のベストセラー作家が、シェイクスピアの名作を語りなおすシリーズ第一弾。
M・アトウッドによって、傑作『テンペスト』が現代に蘇る!

『テンペスト』の演出に心血を注いでいた舞台芸術監督フェリックスは、ある日突然、部下トニーの裏切りにより職を奪われた。失意のどん底で復讐を誓った彼は、刑務所の更生プログラムの講師となり、服役中の個性的なメンバーに、シェイクスピア劇を指導することに。
12年後、ついに好機が到来する。大臣にまで出世したトニーら一行が、視察に来るというのだ。披露する演目はもちろん『テンペスト』。フェリックスの復讐劇の行方は!? ――天才シェイクスピアと現代文学界の魔女アトウッドの才気が迸る、奇跡のような物語の誕生!

【著者略歴】
マーガレット・アトウッド
カナダを代表する作家・詩人。その著作は小説、詩集、評論、児童書、ノンフィクションなど多岐にわたって60点以上にのぼり、世界35か国以上で翻訳されている。1939年カナダのオタワ生まれ。トロント大学、ハーバード大学大学院で英文学を学んだ後、カナダ各地の大学で教鞭を執る。1966年に詩集「The Circle Game」でデビューし、カナダ総督文学賞を受賞。1985年に発表した『侍女の物語』は世界的ベストセラーとなり、アーサー・C・クラーク賞と二度目のカナダ総督文学賞を受賞。1996年に『またの名をグレイス』でギラー賞、2000年には『昏き目の暗殺者』でブッカー賞、ハメット賞を受賞。2016年に詩人としてストルガ詩の夕べ金冠賞を受賞。そして2019年、「The Testaments」で2度目のブッカー賞を受賞した。トロント在住。

【訳者略歴】
鴻巣友季子(こうのす・ゆきこ)
翻訳家・文芸評論家。1963年東京生まれ。訳書『恥辱』『イエスの幼子時代』『イエスの学校時代』J・M・クッツェー、『昏き目の暗殺者』M・アトウッド(すべて早川書房)、『嵐が丘』E・ブロンテ、『風と共に去りぬ』M・ミッチェル(ともに新潮文庫)、「灯台へ」V・ウルフ(河出書房新社 世界文学全集2−1収録)など多数。編書に『E・A・ポー ポケットマスターピース』(共編、集英社文庫ヘリテージシリーズ)など。『全身翻訳家』(ちくま文庫)、『翻訳ってなんだろう?』(ちくまプリマー新書)、『謎とき「風と共に去りぬ」』(新潮選書)ほか、翻訳に関する著作も多数。

【原書】HAG-SEED


【著者紹介】
マーガレット・アトウッド : カナダを代表する作家・詩人。その著作は小説、詩集、評論、児童書、ノンフィクションなど多岐にわたって60点以上にのぼり、世界35か国以上で翻訳されている。1939年カナダのオタワ生まれ。トロント大学、ハーバード大学大学院で英文学を学んだ後、カナダ各地の大学で教鞭を執る。1966年に詩集「The Circle Game」でデビューし、カナダ総督文学賞を受賞。1985年に発表した『侍女の物語』は世界的ベストセラーとなり、アーサー・C・クラーク賞と二度目のカナダ総督文学賞を受賞。1996年に『またの名をグレイス』でギラー賞、2000年には『昏き目の暗殺者』でブッカー賞、ハメット賞を受賞。2016年に詩人としてストルガ詩の夕べ金冠賞を受賞。そして2019年、「The Testaments」で2度目のブッカー賞を受賞した。トロント在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

★
★
★
★
★

5.0

★
★
★
★
★
 
1
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0
★
★
★
★
★
シェイクスピアの名作を語りなおすというプ...

投稿日:2021/04/12 (月)

シェイクスピアの名作を語りなおすというプロジェクトの第一弾。マーガレット・アトウッドが『テンペスト』を現代を舞台に書いたものです。あっという間に本の世界に引き込まれ、夢中になって読んでしまいました。刑務所での演劇が、こんなに魅力的で、素晴らしいものだとは!見事な復讐に目が離せません。鴻巣友季子さんの翻訳もすばらしく、ことばも楽しめます。

はれ さん | 不明 | 不明

0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • ケイ さん

    謹んで拍手。シェイクスピアの『テンペスト』にて、プロスペローが舞台で恭しく挨拶をする幕引きに、盛大な拍手を。喪失の哀しみと 裏切りへの憤怒。古典の名作に、それらを苦いスパイスとし、大人の悪い男たちを掌で踊らせる。アトウッド氏がヘレン・ミレンの顔をして、自分の手を見ながらニヤリとこちらにウインクしてくる感じ。原作の解釈は、登場人物それぞれに、そして読者に委ねてくれる。アトウッドの最高傑作じゃない? 舞台が見えるの。みんなが本当に楽しそうに演じてるのが。これは映画になるわよね。日本では三谷さん、おねがい!

  • ケイ さん

    読書会のために再読。改めてアトウッドの筆の衰えなさ、というより筆のますますの冴えに感嘆。シェイクスピアのrewriteなんてものに手を出して晩節を汚すようなことになれば…一体なんてことを…と読む前には思ったけれど、読み砕いて、ぶっ壊して、新しい価値観を持ってきてる。LGBTや人種問題に移民、そして忘れてはならない先住民の主張。環境問題もどさくさに紛れていれ混むし、囚人の権利や、あと見世物小屋に出されるもののツラさとかなんとか全部。パーフェクト!

  • buchipanda3 さん

    アトウッドによる語りなおしシェイクスピア。いやあ楽しく読めた。復讐劇の「テンペスト(あらし)」を題材に新たに書き下ろされた物語。著者の軽快・軽妙なタッチ(こういうアトウッドもいい)の文章に乗せられながら気持ちよくページがめくれていく。服役囚たちの悪乗りラップがいい(訳も巧い)。元々歌う場面が多い原作だけにぴったり。ミランダ役のアン=マリーは最初性格が配役と違うかなと思ったが、読後にはこれぞミランダと。舞台後に全員で語り合った劇の解釈の発想も面白い。そして本作も復讐や赦しだけじゃなく解放の劇だったと思えた。

  • (C17H26O4) さん

    いやー、面白かった。ほぼ台詞だから、もうね、芝居を観ているようだった。「語りなおし」ってなんだ?と思っていたが、なるほどね。また、これはテンペストの軽快な解説書、読み方の指南書でもあるではないか。惜しむらくは、元の台詞を知っていたら面白さが倍増しただろうということ。テンペスト片手に再読必至。学生時代に受講してみたシェイクスピア講義のテキストなんてはるか昔に処分してしまったが、それを後悔する日が来るとは思わなかった。最終ページを口上で締めて欲しかった気もするが、観客として盛大な拍手で本を閉じた。訳も良い!

  • NAO さん

    『テンペスト』は、弟の裏切りで国から追放され孤島で暮らしているミラノ王の復讐劇。この「島」は牢獄に他ならず、『テンペスト』の舞台設定ならびに復讐劇という内容は、表舞台から追放され矯正所を働き場とし復讐を胸に秘めている主人公の現状とまったく同じという、なんとも凝った構成。フェリックスの授業での『テンペスト』の解釈が、これまた面白い。発表後、物語のその後を考えさせるのも、ユニーク。アトウッドというと、暗く重い話ばかり読んできたが、この作品は、まったく印象が違うものだった。こういうアトウッドも、いいなあ。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

文芸 に関連する商品情報

おすすめの商品