マーガレット・アトウッド

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またの名をグレイス 上 岩波現代文庫

マーガレット・アトウッド

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784006023010
ISBN 10 : 4006023014
フォーマット
出版社
発行年月
2018年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
384p;15

内容詳細

殺人事件で犯人とされた美女は事件を主導した「魔性の女」だったのか、それとも歴史に翻弄された犠牲者だったのか。一九世紀カナダで起き、当時世界中で話題となった殺人事件の記録を素材に、巧みな心理描写を織りこみながら、ミステリー仕立てに、人間存在の根源を鋭く問いかける。ノーベル文学賞候補ともいわれるカナダの女性作家、マーガレット・アトウッドの傑作。

【著者紹介】
マーガレット・アトウッド : 1939年生まれ、カナダを代表する作家・詩人。作品は世界各国で翻訳され、カナダ総督文学賞、ブッカー賞など数多くの文学賞を受賞

佐藤アヤ子 : 明治学院大学名誉教授。日本カナダ文学会会長。日本ペンクラブ常務理事。英語圏文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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現代カナダ文学を代表する作家のマーガレッ...

投稿日:2019/01/14 (月)

現代カナダ文学を代表する作家のマーガレット・アトウッドの傑作。1843年にカナダで実際に起きたた事件を題材にした小説。 精神科医のジョーダンが殺人で有罪とされたグレイスから話を聞くという構成をとっている。そして、語られる彼女の前半生は悲惨だ。やがて事件の舞台となったキニア邸の女中となるが…。 グレイスに関する謎は多い。彼女が事件にどの程度関与したのか? キニア邸の使用人ジェイムス・マクダ−モットの関係は? ジョーダンに部分的に記憶を喪失しているとグレイスは告げるものの、それは真実か? 多くの証言などが示されるが、完全に納得できるような全体像は浮かんでこなかったが、それこそが“現実”というものなのかもしれない。

ねも さん | 兵庫県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ケイ さん

    不穏さに息が詰まるような感覚をもたらす読書。サイモンが全く...、赤子の手を捻るようなものじゃないの。グレイスを侮るなかれ。

  • ケイ さん

    再読。彼女の言うことは本当だったのかどうかすっかり忘れてしまい、もう一度告白を聴きたくなった。アトウッドがグレイスに語らせる時に混ぜる毒々しさは、イギリスではミュリエル・スパークやヒラリーマンテルの吐き捨てるようなシニカルさに通ずるなという印象。さて、昨今の、女性には生むことを決める権利があるという主張には違和感があった。自分の子供が欲しい男性は子供が欲しくない女性とは結婚できなくなりそうだし、なら精子を自由に使わせない権利はあるの?とか……ね。でも、グレイスの母たちを見ていると、確かに選ぶ権利は必要ね。

  • 松本直哉 さん

    精神を病むゆえの犯罪なのか、そもそも有罪か無罪かわからぬまま、好奇と侮蔑の視線を浴びて、この世に居場所などないかに思える女主人公が、ようやく虚心坦懐に話に耳を傾けてくれる医師と出会って少しずつ語り始める半生。貧困と父の暴力と母の死と兄弟の世話の日々の果てに出会ったメアリーとの初めての温かい友情の日々、そこで彼女の支配階級や男性たちに向ける容赦ない批判も、主人公とのたわいない戯れも印象深いだけなおさら、その後に起こるおぞましい非業の死に言葉を失う。罪と穢れの烙印を押されても揺るがない主人公の矜持に打たれる

  • すーぱーじゅげむ さん

    馬丁の男と共謀し、屋敷の主人と同僚の女中を殺害して収監されたグレイスの物語(前半)です。 新聞記者、弁護士、人権派市民団体と幾度となく同じ話をさせられたので、主人公の精神科医にもきちんと向き合わない段階からスタートするのがリアルでした。大親友で13歳のグレイスを守ってくれるメアリー、バイタリティがあって好きです。借金取りを追い返したのは本当にカッコよかったです。「女中はすぐ男の標的になり、妊娠したら当然捨てられ、さらに解雇される」という常識がとても恐ろしい。

  • ふるい さん

    めちゃくちゃ引き込まれる!面白い。いつの時代も紳士方は哀れなほど女の仕事に無知ですね。下巻へ。

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